2003.03.17

【日本呼吸器学会速報】 ガイドライン「気道感染症診療の基本的考え方」、5月に発表へ 

 日本呼吸器学会が作成を進めている「成人気道感染症診療の基本的考え方」は、今年5月に発表されることが明らかになった。15日の特別報告2「呼吸器感染症に関するガイドライン」の中で、登壇した川崎医科大学の松島敏春氏(写真)が言及した。2000年3月発表の「成人市中肺炎診療の基本的考え方」、2002年3月の「成人院内肺炎診療の考え方」に次ぐもので、これで呼吸器感染症ガイドライン3部作が完了することになる。

 ガイドライン作成で中心的な役割を担っている松島氏は講演で、これまでの取り組みをレビュー。「ガイドラインは診断、治療の一つの目安であり、その使用を義務付けるものではない」とする立場をとり、作成の哲学とも言える「基本理念」の確立からスタートしたことを改めて強調した。

 3部作の基本となっている成人市中肺炎診療ガイドラインの基本理念は、目的、信頼性、応用性、柔軟性、明瞭性、使用対象、不利益性、推薦薬剤、調査計画、将来計画の10項目で構成される。例えば、推薦薬剤では、「カテゴリーごとに薬剤群を推薦し、原則として個々の薬品で推薦することはしない」と明記。調査計画では「肺炎原因菌のプロスペクティブな調査計画、ガイドラインの有用性に関するモニター病院での調査、学会や論文での批評の集積などに務める」と明示している。また、将来計画では、「2年後から改正を準備し、3年後に改訂する」とし、常に最新のガイドラインを目指す姿勢を打ち出している。

 松島氏はガイドラインの教育的側面にも言及。日本呼吸器学会総会で肺感染症に関する演題の数が1999年に122件と初めて100件を超え、2003年には165件に達したことを紹介した。総演題数に占める割合も1999年に10%を超え、2003年には17%に増加している。その理由として松島氏は、1998年から始まった「ガイドライン作成作業も一因」と指摘した。

 ただし、一般の開業医へガイドラインの認知度は50〜60%程度にとどまっているとの調査結果やガイドラインを使っている割合が20%に達していないなどとするデータも紹介。「年々増えていくものと思っていたが増えていない」(松島氏)とし、普及の面で課題が残っていることに懸念を示した。

 なお質疑応答で抗菌薬の使い方をめぐる質疑があったが、松島氏は「抗菌薬の使い方を見直すべきではないか」とし、ガイドラインの改訂の柱になりうることを示唆した。

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◆市中肺炎診療の実態調査2003

 MedWaveは今年も「市中肺炎診療の実態調査」を実施致します。本調査は、医療現場の第一線で活躍されている先生方に、外来で遭遇する肺炎(市中肺炎)の診療方針や考え方、抗菌薬の処方経験、市中肺炎診療に関する情報ニーズなどをお伺いし、市中肺炎診療の実態を明らかにすることを目的としております。調査結果は後日、MedWave等で紹介する予定です。ご多忙のところ恐縮ですが、何卒ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
◇アンケート画面は以下です。
http://webres.nikkeibp.co.jp/user/MW203122.html
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