2003.03.05

「重症心不全患者にも運動療法を」、AHAが声明

 米国心臓協会(AHA)は3月4日、心不全の運動療法に関する同学会の見解を発表した。生命予後改善効果は十分に示されていないものの、運動療法には血管機能や神経ホルモン分泌などを改善する作用があり、運動強度などを適切に設定すれば心移植を待つレベルの重度心不全患者でも安全に行えるとするもの。声明文は、同日付のCirculation誌に掲載された。

 心臓リハビリテーションの一環として、心不全患者への運動療法に取り組む医療機関は少なくない。しかし、そのような施設でも、重度心不全患者に対しては「安静」を指示することが多かった。今回の声明は、そうした重度心不全患者に対しても適切な運動療法を行うよう推奨した点で、従来の見解とは一線を画すものとなっている。

 一方、重症度などに応じた具体的な運動処方は呈示されておらず、実際の適用にあたっては個別に運動処方を組む必要がある。ただし、各種の介入研究で用いられた運動メニューは例示されており、心不全患者の運動療法に対する主要な介入試験が網羅されている点は、運動療法研究の現況を把握する上で有用な情報源になるだろう。

 なお、今回の声明に関しAHAが発表したニュース・リリースによると、心不全患者3000人を対象とした無作為化比較試験の患者登録が、この3月から始まるという。NYHA心機能分類が2から4度の患者が対象で、「循環器専門施設での運動療法」と「運動を勧める患者教育」とを比較。運動療法の生命予後改善効果や、運動療法のリスクが高い患者群の同定などを検討する予定だ。

 この声明文のタイトルは、「Exercise and Heart Failure: A Statement From the American Heart Association Committee on Exercise, Rehabilitation, and Prevention」。現在、全文をこちらで閲読できる(リンク先の運営次第で変更になることがあります。ご了承下さい)。

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. 近所で有名な「怖い看護師さん」の処遇に悩む 榊原陽子のクリニック覆面調査ルポ FBシェア数:7
  2. ヒドすぎる医療シーンに仰天「これが魔術か…」 薬師寺泰匡の「だから救急はおもしろいんよ」 FBシェア数:12
  3. 息子が中学受験、それでも地方に転職した医師の決断 医師ヘッドハンティングの舞台裏 FBシェア数:7
  4. 今年の大学医学部入試の問題から(その2) 松原好之の「子どもを医学部に入れよう!」 FBシェア数:12
  5. 画像診断報告書の確認漏れが起こる理由 リポート◎指摘の見落とし、連携不足、多忙など改善点は多く FBシェア数:222
  6. 山形県の麻疹感染で3次感染例を確認、研修医も感染 パンデミックに挑む:トピックス FBシェア数:174
  7. その免疫療法、本当に推奨できますか? トレンド◎あらゆる癌免疫療法に言及した日本初のガイドライン発行 FBシェア数:432
  8. これで確定申告できるの? 頼りない税理士に怒り 開業の落とし穴 FBシェア数:2
  9. 日本人NVAFのための脳梗塞リスクスコア開発 学会トピック◎第81回日本循環器学会学術集会 FBシェア数:109
  10. 医師国試の合格率は88.7%、大学別合格率は? 8533人の新医師が誕生、合格率は90%を切る FBシェア数:1976