2003.03.04

抗体医薬「レミケード」、関節リウマチへの適応拡大に遅れ

 クローン病を適応症に昨年5月、わが国で発売された抗体医薬のインフリキシマブ(商品名:レミケード、関連トピックス参照)に関し、関節リウマチへの適応拡大が当初見込みより遅れることが明らかになった。2月28日に開かれた薬事・食品衛生審議会で追加資料の提出を求められたためで、日本での販売元である田辺製薬が3月3日に経緯を発表した。

 インフリキシマブは、炎症などを司るサイトカイン、腫瘍壊死因子(TNF)αに対するモノクローナル抗体。現在わが国で認められている適応症はクローン病(中等度から重度の活動期クローン病と外瘻を有するクローン病のうち、既存治療で効果不十分なもの)のみだが、海外では関節リウマチの治療にも用いられており、患者からは日本でも使えるよう望む声が高かった。

 審議会で指摘されたのは、1.「3mg/kgで効果不十分な場合は最大10mg/kgまで増量可能」とする根拠を整理すること、2.市販後の安全対策についてより具体的に示すこと−−の2点。後者の内容は明示されていないが、海外では抗TNF薬による結核などの感染症再燃が問題視されており、保菌者が欧米の数倍とも言われる日本では、より深刻な事態につながり得る恐れが以前から指摘されている。

 一方、同薬を関節リウマチの発症早期に使えば、投与を中断しても再燃が起こらないとの予備的なデータも得られており(関連トピックス参照)、従来の関節リウマチ治療を大きく変える潜在力を持つ薬であることは確か。田辺製薬は今回の事態に対し、「本薬剤の承認をお待ちの患者様には多大なご迷惑をおかけ致しますが、何卒、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます」とのコメントを発表している。

 この件に関する田辺製薬のニュース・リリースは、こちら(PDF形式)まで。

■ 関連トピックス ■
◆ 2002.6.4 抗TNFα抗体「レミケード」、クローン病を適応症に発売
◆ 2002.10.31 ACR学会速報】抗サイトカイン薬で寛解導入、DMARDで維持−−早期RAの新しい治療戦略に

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. ズバリ!up to date問題の出題のヤマはこ… 総合内科専門医試験 「一発合格」への道 FBシェア数:39
  2. 50歳男性、夜中の意識障害、痙攣 日経メディクイズ●心電図 FBシェア数:0
  3. 食べられない高齢者にはこう介入する Dr.西&Dr.宮森の「高齢者診療はエビデンスだけじゃいかんのです」 FBシェア数:159
  4. プライマリ・ケア連合学会が成人までカバーしたワク… 学会トピック◎第9回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会 FBシェア数:52
  5. 「学会の指針を転載したら金を払え」は正当か 弁護医師・田邉昇の『医と法の視点』 FBシェア数:127
  6. その図表、そんなタイトルじゃ伝わりませんよ 英文校正者が教える医学論文執筆の極意 FBシェア数:37
  7. 85歳の癌患者に標準治療を行いますか? リポート◎高齢癌患者の治療適否は予後とQOLへの影響で判断 FBシェア数:138
  8. 病理、リハビリテーション科、臨床検査の研修プログ… Cadetto Special●新専門医制度、各科の動向 FBシェア数:24
  9. 慢性的な膝の痛みに効く漢方 幸井俊高の「漢方薬 de コンシェルジュ」 FBシェア数:19
  10. 大阪北部で地震発生! 救急医の1日 薬師寺泰匡の「だから救急はおもしろいんよ」 FBシェア数:169
医師と医学研究者におすすめの英文校正