2003.02.27

鼻炎をみたら高血圧を疑え−−男性でオッズ比2.6倍に

 中年男女を対象としたフランスの調査で、鼻炎の既往がある男性では、年齢や体格指数(BMI)などで補正した後も、高血圧を合併するオッズ比が2.6倍にも上ることがわかった。一方、女性ではこうした相関はみられなかったという。研究グループは、鼻炎の男性が来院した場合、ルーチンで血圧をチェックするよう勧めている。研究結果は、American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine(AJRCCM)誌2月15日号に掲載された。

 この研究を行ったのは、フランス国立健康・医学研究所(INSERM)のSabine Kony氏ら。欧州の大規模疫学研究である「ECRHS」(European Community Respiratory Health Survey)第2回調査の一部として行われたもので、1992〜1993年に20〜44歳だった男女約320人を、1999〜2001年に再調査した際のデータを用いた。

 再調査時の平均年齢は、男性(146人)が45.6歳、女性(170人)が44.6歳。平均BMIは男性が24.9、女性が23.1で、男性の6割と女性の半数強に喫煙歴があり、男性の38.4%、女性の44.1%に鼻炎(季節性も含む)の既往があった。血圧の平均値は男性が126.2/80.6mmHg、女性が114.1/75.2mmHg。

 鼻炎の有無で収縮期血圧の平均値を比較すると、男性では鼻炎の既往がある人の方が、鼻炎がない人より7mmHg高いことが判明。年齢やBMI、高脂血症の有無、喫煙歴の有無で補正しても、男性では鼻炎の既往者の平均収縮期血圧は129.9mmHgで、非既往者(123.6mmHg)より有意に高かった(p=0.006)。鼻炎既往男性の高血圧合併オッズ比は、こうした要素で補正後も、非既往男性の2.6倍(95%信頼区間:1.14〜5.91)となった。一方、女性ではこうした相関は全く認められなかった。

 さらに、鼻炎が季節性か通年性かでも、男性では収縮期血圧に差が現れた。鼻炎のない男性(90人)の平均収縮期血圧は123.5mmHgだが、季節性の鼻炎がある男性(13人)では128.2mmHg、通年性鼻炎の男性(32人)では130.0mmHgとなり、「鼻炎期間が長いほど収縮期血圧が高い」との傾向が認められた(傾向へのp=0.02)。

 肺機能など下気道の疾患については、心血管疾患の発症率や、心血管疾患の危険因子に相関があることは知られていたが、鼻炎のようなありふれた上気道疾患と心血管疾患危険因子との関連が示されたのは初めて。なぜ男性でのみこうした相関が認められるのかは定かではないが、研究グループは「男性の場合、鼻炎は収縮期血圧や高血圧と強く関連している。鼻炎の男性に対しては、血圧を定期的にチェックするべき」と提唱している。

 この論文のタイトルは、「Rhinitis Is Associated with Increased Systolic Blood Pressure in Men」。アブストラクトは、こちらまで。

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