2003.02.25

NIHが2型糖尿病患者対象の大規模臨床試験「ACCORD」をスタート、3戦略の心血管疾患合併予防効果を検討

 米国国立衛生研究所(NIH)はこのほど、2型糖尿病患者1万人を対象とした大規模臨床試験「ACCORD」(the Action to Control Cardiovascular Risk in Diabetes)について、本試験の患者登録を開始したと発表した。血糖、血圧と血清脂質の三つについて、厳格なコントロールで心血管疾患の発症がどの程度予防されるかを検討する。

 「ACCORD」試験は、以前「PCDD」(the Prevention of Cardiovascular Disease in Diabetes Mellitus)との名称で呼ばれていた臨床試験。2年前から本試験に先立って1000人規模のパイロット試験(vanguard trial)を実施しており、そこで得られた成果を本試験の試験計画(プロトコール)に反映したという。本試験ではおよそ3年間で約9000人を登録し、パイロット試験の参加者と併せ、約1万人を2009年6月まで追跡する。

 対象患者は、心血管疾患の既往がある、または心血管疾患の発症リスクが高い、中高年の2型糖尿病患者。無作為化を行った後、二重盲検法で「厳格な血糖コントロール」と「通常の血糖コントロール」を比較するほか、高血圧合併者について「厳格な血圧コントロール」と「通常の血圧コントロール」を比較、高脂血症合併者では「厳格な血清脂質コントロール」と「通常の血清脂質コントロール」とを比較する。

 収縮期血圧の管理目標値は、厳格管理群が120mmHg未満、通常管理群が140mmHg未満。血清脂質については、「低比重リポ蛋白(LDL)コレステロール値を下げ、高比重リポ蛋白(HDL)コレステロール値を上げ、中性脂肪(TG)値を下げる」との介入と、「LDLコレステロールのみを下げる」との介入を比較する。いずれも試験薬の具体名は明示されていないが、血清脂質についてはフィブラート系薬(HDLを上げ、TGを下げる作用などがある)とスタチン系薬(LDLを下げる作用などがある)が用いられる予定。

 一方の血糖コントロールについては、今回の発表では、「厳格なコントロール」と「通常のコントロール」とを比較する、との情報のみが開示されている。ただし、パイロット試験では、長期的な血糖コントロール状態を反映するヘモグロビンA1c(HbA1c)値を6.0%未満に保った群と、7.0〜7.9%の範囲で血糖コントロールを行った群とで比較が行われていた。本試験で同じ基準が採用されたかは不明だが、管理目標値の一つにHbA1cを用いることは間違いなさそうだ。

 また、当初の試験計画では、血糖コントロールに関し、1.非インスリン抵抗性改善薬による通常コントロール、2.非インスリン抵抗性改善薬による厳格コントロール、3.インスリン抵抗性改善薬による厳格コントロール−−の3群比較を行うとされていた。最終的なプロトコールが開示されていないため、血糖管理状況に加え介入薬による違いを調べるかどうかは不明であり、プロトコールの開示が待たれる。

 なお、「ACCORD」試験のスポンサーは、NIHの下部組織である米国心臓肺血液研究所(NHLBI)。試験薬や血糖自己測定器などの提供は、米国Abbott Laboratories社、AstraZeneca社、Aventis Pharmaceuticals社、GlaxoSmithKline Pharmaceuticals社、King Pharmaceuticals社、MediSense Products社、Merck社、NetGroup Diabetic Services、Novartis Pharmaceuticals社、Novo Nordisk Pharmaceuticals社、Omron Healthcare社が行う。

 この件に関するNIHのプレス・リリースは、こちらまで。「ACCORD」試験のホームページは、こちらへ。

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