2003.02.18

性的虐待の被害経験のある男性で、後に加害者側になる割合は11.6%

 児童期に性的虐待の被害に遭ったことがある男性を追跡調査した研究で、被害者が後に加害者になる割合は11.6%という結果が報告された。また、加害者側に回る危険因子としては、「動物に対する虐待性」が特に高く、「放置・保護の怠慢」「監督不行き届き」「成人女性からの性的虐待」などの要因も浮かび上がった。研究成果は、Lancet誌2月8日号に掲載された。

 この研究はロンドン大学児童保健研究所のDavid Skuse氏らが実施した。対象は、1980年1月1日から1992年12月1日までの間に、同大学付属病院の性的虐待外来に照会された患者(平均年齢11.0歳)で、1999年5月1日現在で18歳以上だった男性224例。社会サービス記録や診療録を元に、性的虐待の被害者であることを特定。一方、後に児童への性的虐待に関わった事例については、犯罪記録などをもとに確認した。その結果、成長してから児童への性的虐待の加害者側になっていたのは、26例(11.6%)あったという。

 研究グル−プはまた、後に児童への性的虐待に関わった事例(21例)と性的虐待に関わらなかった事例(83例)について相対危険度を検討し、加害者側に回る危険因子を分析した。

 その結果、動物に対する虐待性がオッズ比7.9(95%信頼区間:2.0〜31.4)と高く、放置・保護の怠慢(オッズ比3.4、95%信頼区間:1.2〜9.7)、監督不行き届き(オッズ比3.0、95%信頼区間:1.1〜8.3)、成人女性からの性的虐待(オッズ比3.0、95%信頼区間:1.1〜8.7)、頻繁な一連の家族内暴力(オッズ比3.1、95%信頼区間:1.0〜10.0)などが、後に加害者側に回る危険因子として浮かび上がった。

 この論文のタイトルは、「Development of sexually abusive behaviour in sexually victimised males: a longitudinal study」。

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