2003.01.24

米国厚生省、小児治験を行う12医薬品を選定

 米国厚生省(HHS)は1月21日、小児に対する有用性・安全性が十分に確認されておらず、国として治験を行う必要がある医薬品12品目を選定したと発表した。いずれも既に成人用として承認されており、臨床現場では小児にも適応外処方されることが多い医薬品。今後2年間で総計9300万ドルを投じて治験を進める。

 今回の措置は、昨年成立した小児最良医薬品法(Best Pharmaceuticals for Children Act;BPCA法)を受けたもの。BPCA法では、既に成人用として承認されているが小児では十分な安全性などが確認されていない医薬品について、HHSが治験を助成することを定めている。これにより、治験費用として2003会計年度予算に2500万ドル、2004会計年度予算に5000万ドルを計上、さらに米国食品医薬品局(FDA)での審査費用として1800万ドルを追加した。

 米国では小児治験を推進するため、試験実施機関のネットワーク化を進める一方、小児治験が必要な医薬品の優先リストを作成し、製薬企業に6カ月の特許保護期間延長というインセンティブを与えている。しかし、今回選定された12医薬品はいずれも米国での特許が切れており、より踏み込んだ対応が必要との判断があった模様だ。

 選定された12医薬品は、アジスロマイシン(日本での商品名:ジスロマック)、バクロフェン(同:ギャバロン、リオレサール)、ブメタニド(同:ルネトロン)、ドブタミン(同:ドブトレックスなど)、ドパミン(同:イノバンなど)、フロセミド(同:ラシックスなど)、ヘパリン(同:ノボ・ヘパリンなど)、リチウム(同:リーマスなど)、ロラゼパム(同:ワイパックスなど)、リファンピン(=リファンピシン)(同:リファジン、リマクタンなど)、ニトロプルシドナトリウム(同:ニトプロ)、スピロノラクトン(同:アルダクトンなど)。試験薬の剤型や治験対象疾患名などは明らかにされていない。

 なお、わが国では小児に使用されている医薬品のおよそ4割は適応外と見積もられており、旧厚生省研究班や日本小児科学会が小児治験が必要な医薬品の優先リストを作成している。そのリストなどに基づき、厚生労働省の大規模治験ネットワーク懇談会でも6品目が小児領域の治験候補品目案として挙げられているが、具体的な試験予定などは決まっていない。

 この件に関するHHSのニュース・リリースは、こちらまで。

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. 50歳男性、夜中の意識障害、痙攣 日経メディクイズ●心電図 FBシェア数:0
  2. 85歳の癌患者に標準治療を行いますか? リポート◎高齢癌患者の治療適否は予後とQOLへの影響で判断 FBシェア数:118
  3. 食べられない高齢者にはこう介入する Dr.西&Dr.宮森の「高齢者診療はエビデンスだけじゃいかんのです」 FBシェア数:128
  4. ズバリ!up to date問題の出題のヤマはこ… 総合内科専門医試験 「一発合格」への道 FBシェア数:37
  5. 「学会の指針を転載したら金を払え」は正当か 弁護医師・田邉昇の『医と法の視点』 FBシェア数:65
  6. 幻のダイヤモンド聴診器 倉原優の「こちら呼吸器病棟」 FBシェア数:8
  7. 医療保険より100倍マシ! 学資保険の選び方 Dr.Kの「医師のためのバリュー投資戦術」 FBシェア数:19
  8. その図表、そんなタイトルじゃ伝わりませんよ 英文校正者が教える医学論文執筆の極意 FBシェア数:26
  9. 麻疹の1例目はブラリとやってくる 学会トピック◎第92回日本感染症学会・第66回日本化学療法学会 FBシェア数:334
  10. 大阪北部で地震発生! 救急医の1日 薬師寺泰匡の「だから救急はおもしろいんよ」 FBシェア数:159
医師と医学研究者におすすめの英文校正