2003.01.15

ホルモン補充療法薬の添付文書が米で改訂、WHI試験結果が「警告」欄に

 米国食品医薬品局(FDA)はこのほど、ホルモン補充療法(HRT)に用いる結合型エストロゲン・プロゲスチン合剤の改訂添付文書を承認した。昨年7月に一部が早期中断された、WHI(Women's Health Initiative)試験(関連トピックス参照)の結果を反映したもの。

 試験に用いられた結合型エストロゲン・プロゲスチン合剤(米国での商品名:Prempro)の発売元である米国Wyeth Pharmaceuticals社は、既に昨年8月に添付文書を自主改訂。今回FDAが承認した改訂添付文書は、基本的には自主改訂内容に沿ったものだが、「警告」(boxed warning)欄を設けてWHI試験で得られた知見をより目立つ形で提示、一層の注意喚起を図っている。

 警告欄には、HRTが心疾患や心筋梗塞、脳卒中と乳癌のリスクを増やす旨が記載。さらに、心疾患予防との適応症はFDAの承認を受けていないことも記された。

 また、米国での承認適応症は、1.更年期に伴うのぼせや寝汗などの血管運動性症状、2.更年期に伴う乾燥やかゆみなど性器の萎縮による症状、3.閉経後骨粗鬆症の予防−−の三つだが、後2者については外用薬や非ホルモン性骨粗鬆症治療薬などの「代替薬を考慮すべき」と明記された。

 今回の改訂添付文書は、「Prempro」のほか、Wyeth Pharmaceuticals社が販売する他のエストロゲン製剤2剤にも適用される。FDAは、HRT製剤を販売する他の企業に対しても、同様の添付文書改訂を行うよう求めている。

 なお、わが国では厚生労働省が昨年10月末に、WHI試験結果に関する見解を発表(関連トピックス参照)。「わが国において緊急な安全対策を講ずる事態ではないが、日本で承認されているエストロゲン剤の中には更年期障害や骨粗鬆症を適応として使用されている製剤もあるため、医療関係者への情報提供が必要」との見方に基づき、「使用上の注意」欄を改訂している。

 この件に関するFDAのニュース・リリースは、こちらまで。

■関連トピックス■
◆ 2002.7.11 NHLBIが臨床試験「WHI」を早期中断、ホルモン補充療法に乳癌、心血管疾患の予防効果なし
◆ 2002.11.1 厚生労働省、卵胞ホルモン/黄体ホルモン併用長期投与と安全性などについて情報提供

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