2002.12.20

選択的COX-2阻害薬のセレコキシブが日本で承認申請

 ファルマシアと山之内製薬は12月19日、わが国で共同臨床開発を進めてきた、新規消炎鎮痛薬のセレコキシブ(開発コード:YM177、海外での商品名:Celebrex、Celebra)を、このほど厚生労働省に承認申請したと発表した。海外データの外挿ではなく、日本で行った第3相試験に基づく申請で、発売後は同一商品名で両社が共同医療情報活動(コ・プロモーション)を行うが、予定商品名は公表していない。シクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)の選択的阻害薬として開発された薬剤が、日本で承認申請されるのは初めて。

 COXは、アラキドン酸からプロスタグランジンやトロンボキサンを生成する代謝経路である「アラキドン酸カスケード」の鍵酵素。いわゆる非ステロイド消炎薬(NSAID)はこのCOXの阻害薬だが、1989年に、COXにはCOX-1とCOX-2の2種類があることが判明。消化管や血管の恒常性を保つ「COX-1」は阻害せず、炎症性サイトカインであるプロスタグランジン合成に関わる「COX-2」のみを阻害する“選択的なCOX-2阻害薬”への注目が集まった。

 セレコキシブは選択的COX-2阻害薬としてデザインされた初めての薬剤で、1999年に米国で発売されて以来、現在世界85カ国以上で承認されている。同様の選択的COX-2阻害薬には、ロフェコキシブ(開発コード:MK-966、海外での商品名:Vioxx)やJTE522(開発コード)などがあり、前者はわが国で第3相、後者は抗炎症薬としては第2相試験中だ。

 一方、NSAIDとして開発されたが、COX-1よりCOX-2への選択性が高い阻害薬も既に市販されており、日本で昨年2月に上市されたメロキシカム(商品名:モービック)はその代表格。同薬は、COX-2への選択性が低い他のNSAIDよりも、消化管出血などの副作用頻度が低いかどうかを調べる市販後調査を進めており、結果によってはさらにシェアを拡大する可能性がある。

 また、今回承認申請が行われたセレコキシブや、近く承認申請が予定されているロフェコキシブなどに関しては、「NSAIDの一種」とみなされるか「選択的COX-2阻害薬(コキシブ系消炎鎮痛薬)という新しいクラスの薬」となるかで薬価が大きく変わる。いずれにせよ、消炎鎮痛薬としては“NSAID薬価”であるメロキシカムが一番のライバルとなることは必須で、今後の開発・販売戦略に大きな注目が集まりそうだ。

 今回承認申請されたセレコキシブは、適応症として慢性関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症のほか数種の疾患を申請しているが、上記3種以外の疾患については公表していない。ロフェコキシブは、上記3種のほか肩関節周囲炎、頸肩腕症候群と抜歯後疼痛を適応症として申請するとみられる。メロキシカムの適応症は慢性関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症と肩関節周囲炎、頸肩腕症候群。

 この件に関する山之内製薬のニュース・リリースは、こちらまで。

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