2002.12.04

【頭痛学会2002続報】  頭部CTと腰椎穿刺で出血所見なし、しかし脳動脈瘤の破裂はあった症例

 2002年11月25日にオンエアしました「頭痛学会2002速報頭部CTと腰椎穿刺で出血所見なし、しかし脳動脈瘤の破裂はあった症例」に対して、読者の方から質問が届きました。「くも膜下出血を特徴づける臨床所見としては、髄膜刺激症状が重要。この症例では、髄膜刺激症状が認められたのでしょうか」というものです。発表者の山口三千夫氏より回答がありましたので、Q&Aという形でまとめました。

================================== Q&A =

 以下の記事で紹介した発表について、読者からの質問です。

◆2002.11.25 頭部CTと腰椎穿刺で出血所見なし、しかし脳動脈瘤の破裂はあった症例

質問 記事には患者の症状として頭痛のことばかり書かれてあり、髄膜刺激症状の有無についての記載はありません。たしかに、強度の頭痛は脳動脈瘤破裂の非特異的症状ではありますが、一般にクモ膜下出血を特徴づける臨床所見としては、髄膜刺激症状が重要です。この症例では、髄膜刺激症状が認められたのでしょうか。

                           JT京都専売病院放射線科
滋野長平氏


読者からの御質問に答えて

 頭痛学会の発表でしたので症状として頭痛のことを書いておりますが、本件では、項部硬直はなく吐き気も訴えておりませんでした。従って頭痛以外の髄膜刺激症状はありません。またKernig徴候も見られておりません。

 本件では、1.動脈瘤が破裂していたことと、2.腰椎穿刺やCTで出血所見がなかったこととが重要であったと考えています。

 本件では一般に言われるような(くも膜下腔に広く広がるような)くも膜下出血はなかったと解釈しています。いうなれば限局性のくも膜下出血(というコンセプトが許されるかどうかは別として)の例であったと考えています。

 従って、この症例では、頭痛以外の髄膜刺激症状は認められていません。

 因みに、私は神戸大学病院で2年間のくも膜下出血入院例について調べ、やはり頭痛学会で報告しています。そのときには入院中に項部硬直を来たした症例は全てのく膜下出血症例のうち70%でした。一方、意識のあるくも膜下出血例で頭痛のなかった例は私は経験していません。

 もし、読者の中に、頭痛のまったくなかったくも膜下出血を経験しておられたり、脳動脈瘤の手術後に完全に慢性頭痛が消失した例をお持ちであれば、御教示いただきたいと思っています。よろしく御願い致します。

                               山口三千夫氏

お願い
 山口氏がご指摘の「頭痛のまったくなかったくも膜下出血を経験しておられたり、脳動脈瘤の手術後に完全に慢性頭痛が消失した例」の情報につきましては、MedWave編集部へご連絡いただきたいと思います。連絡先は、medwave@nikkeibp.co.jp です。MedWaveがこのような症例検討の場になっていければと考えております。どうぞよろしくお願い致します。(MedWave編集長 三和護)

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