2002.11.24

「『わからない、効かない、仕方ない』は過去のもの」 慢性頭痛診断・治療の展望とEBMに基づく治療薬の評価

 (診断や治療法が)わからない、(頭痛薬が)効かない、(体質だから)仕方ない−−。慢性頭痛につきまとうこうしたネガティブなイメージは、遠からず過去のものとなるだろう。23日夕の教育講演において竹島多賀夫氏(写真)は、有効性の高い治療薬の登場と診断基準・治療指針の整備、そして患者・医療者双方の意識の向上とによって大きく変化を遂げつつある慢性頭痛の診断と治療の概略について語った。なかでも片頭痛治療薬については、EBMに基づく評価を紹介し、いずれにおいても最高の評価を得ているトリプタンを要とする片頭痛の治療戦略を示した。

 慢性頭痛の診断および治療については、1988年の国際頭痛学会による診断基準(1)、そして昨今の日本神経学会による慢性頭痛治療ガイドラインが示されている。これにより片頭痛と緊張型頭痛の違いも明確になり、片頭痛に対しては、消炎鎮痛剤のような非特異的な頭痛薬よりもトリプタンやエルゴタミンなどの片頭痛特異的な頭痛治療薬による治療に重きが置かれるようになったという。また、片頭痛治療においては、発作が起こってから頓用する急性期治療薬と、頻回に発作を繰り返す患者に予防目的で使用する予防薬の役割が明確に位置づけられた。

 竹島氏は、これらの薬剤の最新のEBMに基づく評価を紹介。注目のトリプタン製剤は、米国頭痛コンソーシアムによるエビデンスの質の評価が「A」、科学的評価が「+++」、臨床的効果の印象が「+++」、副作用が「時々」、本邦頭痛治療ガイドライン小委員会によるお勧め度が「A」と最高の評価であり、中等度〜重度の片頭痛急性期治療の第一選択薬としてふさわしい薬剤であることが示された。また、ゾルミトリプタンとスマトリプタンの比較では、全般的な有効率や評価は同等とされたが、一方が無効でももう一方が有効な場合があるので、トリプタン製剤間でも適切な「使い分け」が必要であるとされた。

 トリプタン製剤は、近年剤形のバリエーションも増えている。その使い分けに関して竹島氏は、患者のライフスタイルや嗜好を考慮することも大切であると述べた。たとえば場所や状況を選ばずに服用できる口内速溶錠の場合、「発作が起こったらできるだけ早期に服用する」という原則を守りやすく、それだけ効果も高くなることが期待できるという。

 このように、慢性頭痛を正しく診断し、適切な治療薬を選択し、最も効果的な使い方で用いることにより、慢性頭痛治療の最終的なゴールであるQOL改善を最大限に成し遂げ、健康寿命の増進を図ることが可能になるだろうと竹島氏は語った。

■参考文献■
(1) Cephalalgia 1988;8(S7)



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