2002.10.18

エビデンスに基づきホルモン代替療法を否定、米国厚生省が勧告

 米国厚生省(HHS)のプライマリケアと予防に関する諮問機関であるU.S. Preventive Services Task Force (USPSTF)は10月15日、閉経後の女性に対して、エストロゲンとプロゲスチンを投与するホルモン代替療法(HRT)を否定する勧告を出した。同機関がこれまでの研究結果を再調査した結果、同療法による心血管疾患などの予防効果よりも、好ましくない副作用の方が上回ると判断したもの。

 調査によると、閉経後のエストロゲンとプロゲスチン投与は、骨密度を上げ骨折リスクを減らすと同時に、大腸癌リスクも減少することがわかった。一方で同療法はまた、乳癌や凝血塊、脳卒中、胆嚢疾患の発症リスクを増加することも明らかになった。さらにHRTは、心臓病リスクを減らすことはなく、エストロゲンとプロゲスチン投与は逆に、心筋梗塞のリスクを増やすこともわかった。

 なお、子宮摘出術を行った閉経後の女性に対する、エストロゲンのみの投与については、エビデンスが充分ではないため、推奨も否定もできないとしている。

 同諮問機関のAlfred Berg氏は、「今回の勧告は、HRTの長期投与に関するエビデンスに基づくものだが、この点について女性が簡単に答を出すのは難しい。そこで、医師と相談の上で、個人にとって最善の答を出すことがとても重要だ」としている。同機関は1996年、HRTに関して、「エビデンスが充分ではなく、推奨も否定もできない」という勧告を出していた。

 全米では約1400万人の女性が、更年期障害の治療や心臓病の予防のためにHRTを行っているという。詳しくは、HHSによる、ニュース・リリース、または、勧告本文まで。(當麻 あづさ、医療ジャーナリスト)

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