2002.10.16

【日本高血圧学会速報】 家庭血圧値に基づく無作為介入試験「HOSP study」、中間結果を公表

 朝の家庭収縮期血圧値に基づいた高血圧治療の無作為介入試験である「HOSP study」(Hypertension Control Based On Home Systolic Pressure study)の1年後の中間結果が示された。国立循環器病センター集団検診部の万波俊文氏らが10月12日、日本高血圧学会の一般口演で発表した。症例の登録は2001年12月まで行われ、167例が登録されたことが明らかとなった。

 HOSP Studyの概要については、前回の日本高血圧学会において発表されているが、一番の特徴は、降圧目標に家庭血圧値を採用したこと(関連トピックス参照)。対象は、40歳以上80歳未満で、無投薬時の外来および朝の家庭における収縮期血圧が140mmHg以上200mmHg未満の高血圧患者。

 2種類の降圧目標値(朝の家庭収縮期血圧140mmHg以下と同130mmHg以下)を設定した上で、カルシウム(Ca)拮抗薬のアムロジピン(商品名:ノルバスク、アムロジン)5mgもしくはアンジオテンシン2(A2)受容体拮抗薬のロサルタン(商品名:ニューロタン)50mgを投与し、心血管事故、目標血圧値の達成度などについて評価する。降圧目標と初期選択薬の割り付けは無作為だが、薬剤投与はオープン(非盲検)で行っている。追跡期間に関しては最低1年間で、5年間の予定。

 登録患者数は、140mmHg以下群が83人(男性46人、女性37人、平均年齢63.8歳)、130mmHg以下群が84人(男性36人、女性48人、平均年齢62.0歳)の計167人。患者背景については、体脂肪指数(BMI)や総コレステロール値、血糖値、外来血圧値、家庭血圧値などは、両群間に特に差はなかったが、喫煙率だけがそれぞれ5.4%、12.7%と違いがみられた。

 1年後における降圧の達成率は、いずれの群においても両薬に差はなく、140mmHg以下群はともに約90%、130mmHg以下群も約65%だった。3カ月後の時点では、アムロジピンの方が優れていたが(関連トピックス参照)、1年後になると、その差はほとんどなくなっている。

 ただし、他剤の併用率をみると、降圧目標値によらず、アムロジピン群は約6割だったのに対し、ロサルタン群は約7割とやや高かった。ちなみに、他剤の併用については、3カ月目以降に降圧が不十分な場合に認められ、アムロジピン群はA2受容体拮抗薬とアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬以外の降圧薬を、ロサルタン群はCa拮抗薬以外の降圧薬をおのおの追加できる。

 1年後の副作用状況に関しては、全体としては発生率が低かった。目立ったのは、140mmHg以下のロサルタン投与群で「めまい」(21.7%)、また、130mmHg以下のアムロジピン投与群で「頭痛」(11.1%)と「疲労」(14.8%)だった。

 HOSP Studyの最終的な結果が出るのはまだまだ先のことだが、世界的にみても珍しい家庭血圧に基づいた高血圧治療の介入試験だけに、今後の結果が注目される。

■関連トピックス■
◆2001.10.29 日本高血圧学会速報】
家庭血圧に基づく無作為介入試験「HOSP study」、Ca拮抗薬とA2受容体拮抗薬を比較



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