2002.10.13

【日本高血圧学会速報】 高血圧男性の性機能、「硬さ」と「持続時間」が不十分に

 人間ドックを受診した男性を対象に行われたアンケートで、高血圧に罹患している人では、性機能のうち陰茎の硬さと勃起の持続時間の二つが不十分と答える割合が高いことがわかった。降圧薬を服用している人ではこの二つに加え、性生活そのものに対する不満や、勃起障害(ED)治療を受けたいという希望も少なくなかったという。調査結果は、10月11日のポスターセッションで、昭和大学衛生学教室の高橋英孝氏らが発表した。

 高血圧は、男性の性機能低下に対する危険因子の一つ。末梢血管での動脈硬化性変化が進み、陰茎海綿体への血流が低下するため、性機能低下に結びつくと考えられている。しかし、健常人男性を対象に、高血圧への罹患の有無がどの程度性機能に影響を与えるかを調べた研究はほとんど行われていなかった。

 高橋氏らは、人間ドック6施設を受診した男性5763人を対象に、性機能に関する自記式の問診票を配布。回答が得られた人から、性機能に影響を与え得る糖尿病やうつ病、心疾患、高脂血症、前立腺肥大症の人を除き、「高血圧がない」人と「高血圧で治療中」の人とで性機能に関する有所見率を比較した。

 さらに、6施設のうち三井記念病院総合健診センターを受診した1015人については、降圧薬の服用の有無と血圧測定値から「血圧正常群」「高血圧非薬物群」「高血圧薬物群」の3群に分類。血圧正常群を基準に有所見率を比較した。アンケートの回収率は67%。なお、高血圧の人は高血圧に罹患していない人よりも高齢なので、解析時には間接法で年齢調整を行った。

 その結果、降圧薬の服用の有無に関わらず、高血圧に罹患している人では、「陰茎硬度の不十分さ」と「勃起持続時間の不十分さ」を訴える人が20%以上多くなることが判明。一方、「性交回数が月1回未満」「早朝勃起が5日に1回以下」「性交意欲が全くまたはあまりない」といった項目では両群で差がなかった。

 また、高血圧の人を降圧薬の服用の有無で比較すると、降圧薬を服用している人では「性生活に非常にまたはかなり不満」と答えた人が50%以上多いことが判明。ED治療薬を「一度は使いたい」と答えた人の比率も、高血圧でない人を1とした場合、降圧薬を服用していない高血圧患者で0.63であるのに対し、降圧薬を服用している人では1.28と高かった。

 高橋氏らは「高血圧に罹患している人では、『硬さ』と『持続時間』に関する機能低下を訴えることが増え、降圧薬の服用者ではさらに『性生活への不満』と『ED治療に対する希望』が出てくる」と総括。今後、降圧薬の種類による違いについても検討を進めたいと述べた。

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◆「高血圧治療に関する調査」ご協力のお願い

 MedWaveは日本高血圧学会の開催を機に、「高血圧治療に関する調査」を実施しています。医療現場の第一線で活躍されている先生方に、高血圧治療の方法や考え方、降圧薬の処方経験、高血圧治療に関する情報ニーズなどをお伺いし、高血圧治療の実態を明らかにすることを目的としております。調査結果は後日、MedWave上で紹介する予定です。
 ご多忙のところ恐縮ですが、何卒ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

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