2002.09.27

子供の段階からCRP高値がアテロームの進展に関与か

 代表的な炎症マーカーであるC反応性蛋白(CRP)値が高い子供ほど、頸動脈壁が厚く、同時に、上腕動脈の内皮依存性血管拡張反応(FMD)値が低いことがわかった。フィンランドTurku大学中央病院のOlli T. Raitakari氏らが9月2日(現地時間)、欧州心臓学会(ESC)でポスター発表した。成人では、CRP値は心疾患イベントの予測因子の一つとされ、内皮機能不全や頸動脈壁厚との関連が指摘されているが、子供についてはこれまで調べられていなかった。

 同氏らは、健康な子供79人(平均年齢11歳、男女比はほぼ半々)をCRP値によって3群に分け、高解像度の超音波装置を使ってFMD値や内膜中膜複合体肥厚度(IMT)などを測定した。第1群は0.1mg/l未満の子供(40人)、第2群は0.1mg/l以上0.7mg/l以下の子供(20人)、第3群は0.7mg/lより高い子供(19人)。

 試験対象者の背景については、各群間で年齢や総コレステロール、中性脂肪、上腕動脈径などは差はなかったが、体脂肪指数(BMI)はCRP高値になるほど高かった。急性感染症への罹患を示す10mg/lを超える子供はおらず、また、試験前の2週間、感染症状を呈した子供も含まれていない。

 測定した結果、FMD値については、第1群が9.0%、第2群が7.8%、第3群が6.5%で、CRP高値ほど有意に低下していた(p=0.018)。また、IMTについては、平均値は順に0.41mm、0.42mm、0.44mm、最大値は順に0.45mm、0.46mm、0.49mmで、ともに大きくなる傾向があった(それぞれp=0.012、0.014)。なお、p値に関しては、年齢、性別、BMI、総コレステロール値、高比重リポ蛋白(HDL)コレステロール値、平均血圧などで補正済み。

 Raitakari氏は、「健康な子供において、CRPは血管の内皮機能の減少と内膜中膜厚の増大に関連していた。これは、CRPがアテロームの初期段階の進展に関わっている可能性があることを示唆している」と語った。

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