2002.09.25

西ナイルウイルス感染でポリオを発症、NEJM誌が症例を早期公開

 New England Journal of Medicine(NEJM)誌は9月23日、西ナイルウイルスへの感染により、ポリオ(急性灰白髄炎)を発症したと考えられる患者4人の症例報告を早期公開した。西ナイルウイルス感染は蚊が媒介する感染症で、人が感染すると脳炎などを引き起こすことが知られているが、ポリオの発症報告は初めて。

 西ナイルウイルス感染症は、夏の終わりから秋にかけてが流行期。1999年以来、米国で流行が続いており、流行地域も東部から中西部へと広がりつつある。NEJM誌では、今がまさに流行期であることに加え、臨床的な重要性を鑑みて症例の早期公開を行った。日本からの旅行者にとっても注意が必要となりそうだ。

 患者はいずれも50歳代の男女で、頭痛や発熱などに引き続いて筋肉の脱力感を訴えており、骨髄液中などに抗西ナイルウイルス抗体が確認された。うち一人では、電気生理学的な検査で脊髄の前角細胞が侵されていることがわかり、病理学的にもポリオであることが確かめられたという。

 ポリオは主に、ポリオウイルスなどのエンテロウイルスにより引き起こされると考えられており、西ナイルウイルスなどのフラビウイルスによる発症例は報告されていない。論文では、西ナイルウイルスによるポリオが、これまでは症状の似ているギラン・バレー症候群と“誤診”されてきた可能性を指摘している。

 早期公開された症例報告2報と論説は、こちらから入手できる。これらの論文は、NEJM誌10月17日号に掲載される予定。

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