2002.08.27

【日本精神神経学会速報】 日本精神神経学会が精神分裂病の呼称変更を総会で了承、レセプトでも「統合失調症」が使用可能に

 日本精神神経学会は8月26日、横浜市で第98回総会を開催し、精神分裂病の呼称を「統合失調症」へと変更することで会員の合意を得た。同学会「精神分裂病の呼称変更委員会」(委員長:東北福祉大教授・佐藤光源氏)事務局長の金吉晴氏(国立精神・神経センター精神保健研究所部長)が、呼称変更に至る経緯を説明後、挙手により採択。賛成113人、反対1人、保留・棄権8人のほか、929人が委任状を提出しており、賛成多数で了承された。

 精神分裂病という病名には、“精神が不可逆的に破壊される不治の病”といった、誤ったスティグマ(烙印)が社会的に付帯しており、患者・家族側から病名を変更して欲しいとの強い要請があった。同委員会では、変更する呼称として「スキゾフレニア」「クレペリン・ブロイラー症候群」と「統合失調症」の3案を検討。評議員を対象としたアンケートでは3案への支持が分かれたが、患者・家族へのアンケートでは「統合失調症」が最も高い支持を集めたため、言い換える病名としては「統合失調症」がふさわしいと答申、6月29日に理事会の承認を得ていた。

 同学会では既に、日本新聞協会など報道機関に向け新呼称を使うよう要請。7月23日には厚生労働省に対し、診療報酬請求書(レセプト)や障害年金などの公的書類においても、両名併記ではなく「統合失調症」という病名のみを記載できるよう求めた要望書を提出した。

 この要望書に対し、厚生労働省は8月7日付けで、レセプトなどに記載された「統合失調症」を精神分裂病と読み替えるよう、各都道府県に通知すると回答。併せて、現在2割に過ぎない病名告知を進め、インフォームド・コンセントに基づく医療を行うためにも、学会に対し1.統合失調症に関する市民向けのパンフレット作成、2.統合失調症の治療ガイドライン作成、3.病名変更後の病名告知進展度の調査−−などを行うよう求めたという。

 同委員会では今後、「分裂感情障害」や「分裂病型人格障害」など、schizo-の訳語として分裂という言葉が用いられている病名について、新たな呼称を検討する。また、schizophreniaの訳語として、中国や韓国などでも精神分裂病という表記を用いているため、これらの国にも「国際的に統一した病名を用いる」よう働きかけていく予定だ。

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