2002.07.28

【日本骨代謝学会速報】 骨粗鬆症薬併用療法の3年追跡データが発表、「骨折予防」「骨量増加」に適した組み合わせが判明

 信州大学整形外科の小林千益氏は7月27日、骨粗鬆症薬の併用療法に関する臨床試験の最新結果を、シンポジウム2「骨粗鬆症治療の新しい展開」で報告した。今回発表されたのは、介入後3年目までの追跡データ。ビスフォスフォネート製剤(ビス製剤)のエチドロン酸二ナトリウム(商品名:ダイドロネル)、活性型ビタミンD3とビタミンK2という、一般臨床で使用される機会が多い3剤について、骨量の増加と骨折予防という二つの観点から評価を行った。

 この臨床試験を行ったのは、小林氏と成人病診療研究所の白木正孝氏、大阪市立大学整形外科の高岡邦夫氏らを中心とする全国13施設。研究グループはまず、原発性骨粗鬆症患者を、単剤投与の3群(ビタミンD群、ビタミンK群、ビス製剤群)と2剤併用の3群(ビタミンD+ビタミンK群、ビス製剤+ビタミンD群、ビス製剤+ビタミンK群)の、計6群に無作為に割り付けた。

 さらに、成人病診療研究所における独自症例と無治療群を追加して、最終的に無治療群を含む7群間で臨床成績を比較した。評価症例の総数は観察時期により異なり、6カ月時点で757人、1年時点で699人、2年時点で529人、3年時点で421人。年齢や閉経年齢、体格指数(BMI)や既存椎体骨折の有無など、主要な患者背景には群間で差がなかったという。

 3年間追跡した時点で、「骨折予防」という観点で最も優れていたのは、ビス製剤とビタミンK2という組み合わせ。新規の骨折発生は、無治療群で3年間で35%に認められたのに対し、この2剤の組み合わせでは1件も発生しなかった。しかし、BMDの増加率そのものはビス製剤単独投与と変わらず、「この組み合わせは骨量を増やすという方向ではなく、骨質を改善することで骨折を防いでいる可能性がある」と小林氏は分析した。

 また、BMDの早期増加という観点では、ビス製剤と活性型ビタミンD3という組み合わせが最も優れていた。最初の6カ月では、ビス製剤単独よりもBMDの増加率が高く、「速やかに骨量を増やしたい」ケースには望ましい組み合わせであることが示唆された。

 一方、活性型ビタミンD3とビタミンK2との併用は、2年目までの追跡結果と同様、“不利な組み合わせ”であることが明らかになった。3年後のBMDは無治療群と有意差がなく、しかも新規骨折率は61%と、無治療群よりも高くなった。この組み合わせでは、骨吸収を反映する骨代謝マーカーである尿中デオキシピリジノリン(DPD)値が高値で、「それが高率な骨折発生に関与している可能性がある」と小林氏は述べた。

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