2002.07.20

【日本動脈硬化学会速報】 「肥満を合併した脂質代謝異常者にはまず減量を」、肥満学会がアピール

 日本動脈硬化学会の「動脈硬化診療ガイドライン」では、動脈硬化性疾患の発症リスク判定に用いる危険因子から、今回のガイドライン改訂で「肥満」が除かれた。この点に関し、7月19日の「動脈硬化診療ガイドラインに関するコンセンサスカンファレンス」に日本肥満学会の代表者として出席した東京逓信病院の宮崎滋氏は、「体格指数(BMI)が25以上の肥満はリスクとして取り扱うのが妥当」と強調。肥満と判定された高脂血症患者には、減量を強く勧めるようガイドラインに盛り込むべきと訴えた。

 宮崎氏はまず、久山町研究から、肥満者では脳卒中死や心筋梗塞死が多いとのデータが得られていることを提示。さらに、日本人集団では脂質代謝異常や高血圧、高血糖の罹患オッズ比が、BMIが22の人を1とした場合にBMI25前後で2倍になるとのデータを示し、これらの疾患が肥満学会ガイドラインにおける「肥満に起因ないし関連し減量を要する健康障害」であることを強調した。

 その上で宮崎氏は、「動脈硬化学会のガイドラインで、脂質管理目標値に危険因子による差異を設けるのであれば、肥満も危険因子として取り扱うべき」と主張。肥満を合併した高脂血症患者では、減量により脂質代謝異常が是正されることから、高脂血症の診療で行われる「生活習慣の改善」策として減量を重視すべきだと述べた。

 座長を務めた帝京大学内科の寺本民生氏は「リスク評価という観点からは肥満をカウントするのが難しく、その意味での危険因子からは除いた。しかし、肥満は『マルチプルリスクファクター症候群』の根幹をなすものとしてガイドラインに盛り込まれている」と説明。これに対し宮崎氏は「食習慣の改善や身体活動性の向上など、生活習慣の是正がどの程度なされたかを判定する上でも体重は有用な指標」と指摘し、動脈硬化学会のガイドラインで、優先的な介入策として強調されている「生活習慣の改善」を指導する際にも、肥満度の評価が役立つと述べた。

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