2002.07.20

【日本動脈硬化学会速報】 間接喫煙でも炎症マーカーCRP値が上昇

 心血管疾患の危険因子として注目されている炎症マーカー、C反応性蛋白(CRP)が、間接喫煙でも上昇し得ることがわかった。喫煙者でCRP値が高いことは知られていたが、間接喫煙がある非喫煙者でCRP値が高いことが示されたのは初めて。研究結果は、防衛医科大学校検査部の米村篤氏らが、7月19日のポスターセッションで発表した。

 米村氏らは、健康な成人男性164人(34〜59歳)を、直接・間接の喫煙状況によって3群に分類。喫煙者(79人)と間接喫煙者(45人)、非喫煙者(40人)との間で、CRP値や、たばこの煙への曝露状況を反映するチオシアニン値を比較した。間接喫煙の定義は、自分自身ではたばこを吸わないが、1日最低1時間、6カ月間を超えてたばこの煙に曝露されていることとした。

 喫煙者と非直接喫煙者(非喫煙者+間接喫煙者)との間で、年齢や体格指数(BMI)、血圧、飲酒状況、空腹時血糖に有意差はない。白血球数とヘマトクリット値は喫煙者で有意に高く、アルブミン値は有意に低かった。非喫煙者と間接喫煙者との間では、こうした背景因子に有意差はなかった。喫煙者の平均喫煙本数は1日20本。

 喫煙状況を客観的に反映するチオシアニン値は、喫煙者で非直接喫煙者の3倍以上で、非直接喫煙者の中では間接喫煙者の方が非喫煙者の1.5倍と、喫煙状況に応じて高くなった。CRP値も、喫煙者で0.59mg/lと、非直接喫煙者の0.37mg/lより有意に高かった。

 米村氏らはさらに、間接喫煙のある・なしでCRP値を比較した。すると、非喫煙者では0.29mg/l、間接喫煙者では0.46mg/lとなり、間接喫煙者で非喫煙者よりもCRP値が有意に高いことが明らかになった。間接喫煙時間別の解析でも、間接喫煙の時間が長くなるほど、チオシアニン値が上昇し、CRP値も高くなる傾向が認められたという。

 以上から米村氏は「自分でたばこを吸わない人でも、間接喫煙があれば、間接喫煙のない非喫煙者よりCRP値が高くなる」と結論。喫煙は心疾患の主要な危険因子の一つだが、間接喫煙でも、たばこの煙の直接作用に加え、慢性炎症の惹起という間接的な作用を介して心血管疾患のリスクが高められている恐れがあるとした。

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