2002.07.11

2型糖尿病患者の脳卒中、予測発症率の算定式が公開−−UKPDS研究

 2型糖尿病患者を対象とした英国の大規模追跡研究、UKPDS(UK Prospective Diabetes Study)に基づく「脳卒中の発症率算定式」が、Stroke誌7月号に掲載された。患者の年齢、性別、糖尿病罹患歴、ヘモグロビンA1c(HbA1c)などに基づき、年間および累積予測発症率を求めるもの。このアルゴリズムに基づくパソコン用ソフトウェアも、UKPDSを統括する英国Oxford大学のDTU(Diabetes Trial Unit)のホームページで公開されている。

 UKPDSは、1977年から1991年にかけて行われた、2型糖尿病患者の長期追跡研究。新たに糖尿病を発症した25〜65歳の患者5102人を登録し、中央値で10.5年追跡して心血管疾患などの合併率や危険因子を評価した。UKPDSのデータに基づき、多くのサブ解析が行われており、なかでも心血管疾患の予防に血圧コントロールが重要であることを示した「UKPDS 38」(BMJ;317,703,1998)や、同じく血糖コントロールの重要性を示した「UKPDS 33」(Lancet;352,837,1998)は、臨床現場に大きなインパクトを与えた研究として名高い。

 今回発表された「UKPDS 60」は、UKPDSデータに基づき、脳卒中の予測発症率を求める算定式の詳細を示すもの。昨年12月に発表された、冠動脈疾患の予測発症率算定に関する「UKPDS 56」(Clinical Science;101,671,2001)と併せ、脳卒中と冠動脈疾患の予測発症率を求める算定用ソフトウェア「UKPDS Risk Engine」も作成された。

 このソフトウェアを使うと、例えば「罹病歴10年の65歳白人男性で喫煙歴、心房細動(AF)がなく、HbA1cが7.0、収縮期血圧が140mmHg、総コレステロール値が5.0mmol/l、高比重リポ蛋白(HDL)コレステロール値が1.2mmol/l」の場合、冠動脈疾患の10年予測発症率は25.7%、脳卒中の10年予測発症率は12.4%と算定される。ソフトウェアの対応人種は白人、アフリカ系カリブ人とアジア系インド人で、結果を日本人にそのまま当てはめることはできないが、ある程度の参考データにはなりそうだ。

 「UKPDS 60」の論文タイトルは、「Risk of Stroke in Type 2 Diabetes Estimated by the UK Prospective Diabetes Study Risk Engine」。アブストラクトは、こちらまで。「UKPDS Risk Engine」は、Windowsパソコン用(Windows 95以降に対応)が公開されており、Mac用も近く公開予定。ダウンロードは、こちらから。

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