2002.07.09

アストラゼネカが非小細胞肺癌治療薬「イレッサ」を薬価収載前から販売、特定療養費制度の初利用

 アストラゼネカは7月8日、特定療養費制度を利用して、非小細胞肺癌治療薬「イレッサ」(一般名:ゲフィチニブ)を薬価収載前から患者に販売すると発表した。2002年4月の診療報酬改定により、薬事法上の承認を受け、薬価基準への収載を希望している医薬品については、一定の条件を満たせば特定療養費制度の対象と認められるようになっている(関連トピックス参照)。適用されるのは「初めてのケース」(厚生労働省保険局)。この制度を利用するのは、「患者と医師の双方から強い要請がある。薬価収載まで約2カ月かかると予測しているので、それまで薬を供給せずに待たせるのは酷と判断した」(同社社長のマーティン・ライト氏)ため。

 「イレッサ」は7月5日に承認を受けており(関連トピックス参照)、出荷準備が整う来週から実際に販売を開始する予定だ。なお、医薬品としての承認申請は1月25日で、抗エイズ薬を除けば5カ月あまりという最速で承認を受けたという。承認を受けたのは、世界でも日本が初めて。

 ゲフィチニブは、表皮成長因子(EGF)受容体のチロシンキナーゼ活性を選択的に阻害する薬剤。EGFが癌細胞膜表面のEGF受容体と結合すると、膜の内側にあるチロシンキナーゼ部位のリン酸化により活性化され、癌細胞の増殖や転移などを進むと考えられている。固形癌に対する分子標的医薬として、期待されている(関連トピックス参照)。

 2002年5月に開かれた米国臨床癌学会(ASCO)でも、「イレッサ」に関する研究報告がなされている(関連トピックス参照)。ドセタキセルなどを含む2度の化学療法が無効だった進行非小細胞肺癌患者に投与しており、これまでの治療法より良好な結果だった。また、肺癌に伴う息切れや咳、食欲減退などの症状も改善されている。しかし、症状は重くないものの、皮疹や下痢などの副作用が多くの患者に認められた。

 長期予後や初期治療薬としての「イレッサ」の有効性などに関するデータは、今後発表される予定になっている。

■関連トピックス■
◆2002.7.8 厚生労働省、非小細胞肺癌治療薬「イレッサ」などを新医薬品として承認
◆2002.5.20 ASCO2002ダイレクト】
難治性の進行非小細胞肺癌に分子標的薬ZD1839(Iressa)が奏効

◆2002.5.15 分子標的医薬「イレッサ」、固形癌に対する第1相試験結果が最終報告
◆2002.2.21 続報・診療報酬改定】 主な改定項目と診療報酬点数

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