2002.06.28

【ISH速報】 SYST-EURフォローアップ試験で長時間作用型Ca拮抗薬を基礎とした降圧治療の有用性が確認される

 SYST-EUR本試験終了後4年間の追跡調査により、長時間作用型Ca拮抗薬を基礎とした降圧治療の長期有効性と安全性が確認された。ベルギー大学のJ. A. Staessen氏が、6月27日のオーラル・プレゼンテーション 「Drug Treatment、 Clinical Trials」で発表した。

 Syst-Eurは本試験終了後、1997年2月にすべてのプラセボ服用例を実薬に切り替えて追跡を継続した。Syst-Eur本試験では、二トレンジピンを基礎に、降圧不十分な場合はACE阻害薬、ハイドロクロロサイアザイド(HCTZ)を追加し、プラセボ群はニトレンジピンも含め、すべてプラセボを服用していた。

今回報告されたのはSyst-Eur本試験において実薬群だった1825例とプラセボ群だった1691例(旧プラセボ群)を、本試験割り付け時から2001年12月31日までの結果をIntention-to-Treatで解析したもの。およそ7割がニトレンジピンを服用し、半数がACE阻害薬、3分の1から4分の1がHCTZを服用した成績となる

 Syst-Eur本試験終了後の収縮期血圧は、実薬群が151.0mmHgから141.7mmHgへさらに低下し、また旧プラセボ群でも160.4mmHgから142.1mmHgへと、実薬群と同等程度まで低下した。

 それにしたがい「収縮期血圧<150mmHg」達成率も、実薬群で50.5が82.6%へ、旧プラセボ群 でも26.7が81.1%へと著明な改善を示した。

 このように最終的には同等の降圧度が得られた両群だが、無作為割り付け後からのイベント発生を見ると(追跡期間中央値6年)、実薬群では「致死的・非致死的脳卒中」が旧プラセボ群に比べ相対的に30%、有意に減少していた(p=0.006)。心血管系イベントも16%の減少を示したが、有意差とはならなかった。また「総死亡」、「心血管系死亡」も実薬群で減少傾向を示すにとどまった。一方、出血性副作用や発癌は両群間で差を認めなかった。

 Staessen氏は、長時間作用型Ca拮抗薬を基礎とする降圧治療のプラセボと比べた有用性は、その後プラセボを実薬に切り替えても消滅しなかった点と、6年間(中央値)の追跡してもCa拮抗薬を用いた降圧治療が癌や消化器系出血を増加させなかった点を強調し、話を終えた。(宇津貴史、医学レポーター)

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