2002.06.12

【日本皮膚科学会速報】 成人の伝染性紅斑、前駆症状は全身倦怠感と発熱が特徴

 小児の伝染性紅斑(いわゆるリンゴ病)の場合、左右の頬部に紅斑が出るのが特徴だが、成人の場合は出現しないことが多いため、皮疹からだけでは診断が難しいとされている。日生病院(大阪市西区)皮膚科の東山真里氏らは6月8日、日本皮膚科学会総会の一般口演「感染症3」で、3カ月間で大人の伝染性紅斑4例を診断したケースについて報告した。成人の場合は他のウイルス発疹症と区別しにくいので、こうした報告は臨床の現場で参考になると思われる。

 発表によると、全員に共通していたのは、前駆症状では全身倦怠感と発熱、皮膚症状では体幹と四肢における播種性小紅斑の多発、全身症状では関節痛だった。このほか、貧血や肝機能異常、白血球減少、異型リンパの出現などが、一部の患者でみられた。なお、紅斑は安静により3〜5日後に消退し、他の全身症状も1〜2週間で改善したという。

 4人の患者の内訳は、1組の夫婦を含む男性一人、女性3人で、2001年4〜6月にかけて診察した。すべて子供(4〜7歳)からの家族内感染が原因だという。なお、確定診断については、ヒトパルボウイルスB19のIgM、IgG抗体検査により行っている。

 大人の伝染性紅斑は、溶血性貧血患者であれば無形性発作、免疫不全患者であれば慢性造血障害、妊婦であれば胎児水腫などを引き起こすといわれている。さらに、紫斑病、血管炎、神経障害などの原因となりうるため、決して軽視できない感染症と言えるだろう。

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