2002.06.10

【再掲】【日本皮膚科学会速報】 悪性黒色腫の肝転移患者、TAIとTAEの併用療法で生存期間延長

 悪性黒色腫が肝転移した症例に対して、肝動脈内抗癌剤投与(TAI)と経カテーテル肝動脈塞栓術(TAE)の併用療法を実施した方が、これまで試みられてきた抗癌剤の全身投与やTAIよりも生存期間を延長したとの報告がなされた。国立がんセンター皮膚科の藤沢康弘氏らが6月7日、日本皮膚科学会総会の一般口演「悪性黒色腫3」で発表した。肝転移した症例は肺やリンパ節転移よりも予後不良で、50%生存期間が5〜7カ月程度と悪く、標準的治療法は確立されていないのが現状だ。

 併用療法を施行したのは、転移が肝臓に限局している患者11人(男性6人、女性5人)で、年齢は48〜80歳(平均57歳)だった。腫瘍の原発巣は眼球9人、上腕一人、手掌一人。シスプラチン(CDDP)を1平方メートル当たり70mg投与し、施行間隔は3カ月程度。病状が悪化しない限り、治療は継続する方針をとった。

 肝転移巣への効果については、奏効率が27.3%(11例中、完全寛解1例、部分寛解2例、不変5例、悪化3例)で、「通常の化学療法に比べると高い奏効率」(藤沢氏)が得られた。50%生存期間は14カ月で、これまでの5〜7カ月より長くなっていた。

 藤沢氏は、今回試みた併用療法について、「化学療法などより奏効率が優れ、他の臓器への影響が少ないのがメリット。一方で、施行直後に疼痛や嘔気があるのはデメリット。さらに、転移先が肝臓だけの症例は少なく、現時点では適応例が限定されている」と語った。今後の検討課題として、CDDPの至適投与量、抗癌剤の代替もしくは併用、副作用の緩和を挙げた。

■訂正■
 肝動脈内抗癌剤投与(TAI)が冠動脈内抗癌剤投与(TAI)に、また、最終段落でCDDPがDDPになっていました。お詫びして訂正いたします。

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