2002.06.09

シンバスタチンとアミオダロンの併用で高率にミオパシー、米で添付文書改訂

 脂質低下薬のシンバスタチンと、抗不整脈薬のアミオダロンを併用投与した患者で、高率にミオパシーが起こることがわかった。現在進行中の臨床試験の解析から明らかになったもので、シンバスタチン80mg(1日量)とアミオダロンを併用した群では、ミオパシーが6%という極めて高い頻度で発生したという。米国で同薬を発売しているMerck社は、添付文書を改訂して両薬の併用に注意を促している。

 シンバスタチンは、HMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン系薬)と呼ばれる薬の一つ。他の作用機序を持つ脂質低下薬と比べ、副作用が少なくコンプライアンス(服薬継続性)が高い点が特徴だが、投与量や併用薬によってはミオパシー(筋肉の痛みや筋力低下、ミオグロビンなどの上昇を特徴とする筋肉障害)や横紋筋融解症などの、重大な副作用が起こりやすくなることが知られている。

 今回の添付文書改訂は、主にミオパシーと横紋筋融解症に対して改めて注意を促すもの。併用に注意が必要な医薬品として、新たにアミオダロンとカルシウム拮抗薬のベラパミルが挙げられている。

 改訂された添付文書によると、現在進行中の臨床試験で、高用量のシンバスタチン(80mg)とアミオダロンとを併用した患者の、実に6%でミオパシーが認められた。また、総計2万5248人が参加した複数の臨床試験(シンバスタチンの1日投与量:20〜80mg)の解析からは、ベラパミルなどのカルシウム拮抗薬を併用していない2万1224人では0.061%(13人)でミオパシーが起こったのに対し、ベラパミルとシンバスタチンを併用した635人では0.63%(4人)と、一桁多い頻度でミオパシーが生じたという。

 これを受け、添付文書では「アミオダロンまたはベラパミルと併用する際は、シンバスタチンの投与量が20mgを超えないようにすべき」との文言を新たに追加した。

 この添付文書改訂に関しては、米国内で「心臓の薬とシンバスタチンとの併用で重大な副作用」との報道がなされ、それを受けてMerck社は「添付文書の改訂はルーチンに行っているもので、シンバスタチンは安全」とのニュース・リリースを6月6日に発表している。

 なお、わが国ではシンバスタチンは「リポバス」との商品名で販売されているが、承認用量は1日最大20mgで、アミオダロン(日本での商品名;アンカロン)との併用で高率にミオパシーが報告された80mg投与は承認されていない。とはいえ、「ミオパシーが6%」は驚くべき頻度であり、今回の米国での添付文書改訂を受け、改めてわが国でも安全性に関する報告がなされるのかに注目したい。改訂された添付文書は、米国食品医薬品局(FDA)ホームページ内で公開されており、こちら(PDF形式)で全文を入手できる。

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