2002.06.04

炎症マーカーCRP、心突然死の予測因子に

 虚血性心疾患の危険因子として注目されている炎症マーカー、C反応性蛋白(CRP)値は、突然死の予測因子でもあるようだ。米国の男性医師約2万2000人が協力したコホート研究、Physicians' Health Study(PHS)研究の参加者データに基づく症例対照研究から判明したもので、Circulation誌6月4日号に掲載された。

 PHS研究は、40〜84歳の健康な男性医師を対象に、1982年からスタートしたコホート追跡研究。この研究からは、アスピリンに心筋梗塞の1次予防効果が認められることや、乳製品が前立腺癌の危険因子になり得ること(関連トピックス参照)など、臨床的に有用な知見が多数得られている。

 米国心疾患予防センター(CCDP)予防医学部門のChristine M. Albert氏らは、このPHS研究データに基づく症例対照研究を実施。平均17年の追跡期間中、突然心臓が止まって亡くなった97人を「症例群」、症例群と年齢(登録時の平均59.6歳)及び喫煙状況(現喫煙者10%、禁煙者46%)をマッチさせた192人を「対照群」として、両群間でコホート研究への登録時にどのような違いがあったかを検討した。

 その結果、研究登録時のCRP値が上位4分の1に入った「CRP高値」の人では、下位4分の1に入った「CRP低値」の人よりも2.78倍、心突然死を起こしやすいことが判明(95%信頼区間:1.35〜5.72)。この傾向は、血清脂質やホモシステイン値など他の心疾患危険因子で補正後も変わらなかった。一方、血清脂質とホモシステイン値はいずれも、心突然死を起こすリスクとは明確な相関が認められなかったという。

 米国では毎年、約25万人が突然死しており、うち半数は心臓に原因があるとされる。PHS研究の参加資格の一つは「心疾患がないこと」で、今回の研究は「健康な(心疾患がない)男性でもCRP値が高いと、その後17年以内に心突然死する確率が3倍近くなる」ことを示唆するものだ。研究グループは「健康に見える人が突然死するリスクを予測する上で、CRP値は有用」とまとめている。

 この論文のタイトルは、「Prospective Study of C-Reactive Protein, Homocysteine, and Plasma Lipid Levels as Predictors of Sudden Cardiac Death」。アブストラクトは、こちらまで。

■ 関連トピックス ■
◆ 2001.10.2 カルシウムは前立腺癌の危険因子、米コホート研究が示唆

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