2002.05.29

【学会レビュー】 日本糖尿病学会 タイムシェアリングによる経口剤併用療法が2型糖尿病の血糖コントロールに有用 

 即効型のナテグリニドと長期作用型のSU薬(グリクラジド)を、昼間はナテグリニドを夜間はグリクラシドというタイムシェアリングで併用する治療法が2型糖尿病の血糖コントロールに有用であることがわかった。東京慈恵会医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科の加藤秀一氏が5月17日、一般口演「経口薬療法1」で発表した。

 食後過血糖を改善するナテグリニドは、不規則な食習慣の糖尿病患者が食事時刻を自由に設定しても低血糖の危険が少ない特徴があるが、反面、作用時間が短いため朝食前血糖の改善作用が弱いことも指摘されている。一方、SU薬は長時間作用型であり、朝食前血糖の改善作用は強いが、食後過血糖の改善作用は十分でないことから厳格な血糖コントロールを求めると食事時刻の変動により低血糖を起こしやすいことが知られている。加藤氏らは、この両者の短所を補うために、タイムシェアリングによる併用療法を検討した。

 対象は2型糖尿病患者64人。これを無作為に2群に分け、第1群には第1週から4週に各食前ナテグリニド90mgを投与(NNN治療)し、第5週から8週の朝昼食前にそれぞれナテグリニド90mg、夕食前にグリクラジド20〜80mgを投与(NNG治療)した。第2群には、第1週から4週に朝昼食前にそれぞれナテグリニド90mg、夕食前にグリクラジド20〜80mgを投与(NNG)し、第5週から8週に各食前ナテグリニド90mgを投与(NNN)した。

 患者背景は、第1群が男性23人、女性9人、第2群は男性21人、女性11人。年齢は第1群が62.9±8.0、第2群が60.1±11.7。糖尿病の罹患期間は第1群6.9±5.4年、第2群7.0±6.7年。

 加藤氏らは、第4週と第8週の朝食前血糖値、糖化アルブミン、空腹時インスリン値などを測定し、各群ごとにNNN治療とNNG治療を評価した。その結果、朝食前血糖値は、第1群では153±21mg/dl(第4週、NNN)が126±19mg/dlに減少(p<0.0001)し、第2群でもNNG治療の方が119±23mg/dlでNNN治療の149±32mg/dlより有意な差(p<0.01)が確認された。血糖アルブミンも、第1群でNNNが21±3%、NNGが19±3%、第2群でNNNが20±4%、NNGが19±3%と、それぞれ有意な差(p=0.0014、p=0.04)が認められた。ただし、空腹時インスリン値や朝食2時間後の血糖値および血中インスリン値に有意差は見られなかった。

 これらのことから加藤氏は、「朝食前および昼食前にナテグリニド、夕食前にグリクラジドをタイムシェアリングで併用する治療方法は、空腹時インスリン値、食後の血糖値およびインスリン値を増加させることなく、空腹時血糖値と糖化アルブミンを改善させる有用な経口併用療法である」と結論付けた。

 なお、朝食後2時間血糖値の評価をもとに、グリクラジドは40mg/日以下の症例はナテグリニドとグリクラジドのタイムシェアリング併用療法に切り替え可能と指摘した。

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