2002.05.22

【日本糖尿病学会速報】 腎症関連が疑われる30個ほどのSNPsを発見、さらに絞り込みへ−−特別講演より

 大会最終日の午後、会場のメインホールにて、わが国のヒトゲノム研究の第一人者である東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析研究センターの中村裕輔氏を招聘して特別講演「ポストシーケンス時代の疾患遺伝子解析研究」が行われた。会場はほとんど満席となり、糖尿病においても、遺伝子に関する知見をベースとした今後の診断・治療法研究開発への期待が高いことがうかがわれた。

 中村氏は冒頭で、ヒトゲノム・遺伝子研究の意味を改めて強調した。すなわち、遺伝子を知ることは、新薬開発や既存薬剤の応答(効き目)・副作用を知るエビデンスとなること、患者の遺伝子による薬剤応答性の違いを知り薬剤治療の「種類、用量、使用時期」のエビデンスを得ること、そして再生医療のためのツールとすること、の三点の意義があると述べた。

 次に、同氏がリードするSNPs(一塩基遺伝子多型)探索と疾病関連SNPs研究の最新状況について語った。同氏は国家プロジェクトであるSNPs解析研究で、これまでに23億塩基対を解析し、21万個のSNPsを発見したと述べた。その中で、日本のSNPs解析は実際のDNAの機能部分であるcDNAに対してのものであるため、「欧米の探索結果より数は少ないが信頼性・実用性は高い」と強調した。また、SNPsは500万〜1000万個の規模と指摘し、個人が持つ複数のSNPsの組み合せにより、個々の発症リスクや薬剤応答も変わると語った。

 具体的な疾病関連SNPs探索の状況については、特に糖尿病でも大きな問題となる腎症についてプロジェクトチームが組織され、すでに30個ほどの関連疑いのSNPsを発見、さらに絞り込みを行う段階にきているという。ここでも同氏は、欧米のSNPs探索に比べて、日本の国家プロジェクトでの患者サンプル数は700人前後と多く、より信頼性が高いことを強調した。

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