2002.04.26

【日本消化器病学会速報】 ピロリ菌除菌後の潰瘍再発、胃で年率2.3%、十二指腸では1.6%

 ヘリコバクター・ピロリ(H.ピロリ菌)の除菌に成功した消化性潰瘍患者では、その後の潰瘍再発率が極めて低いことがわかった。5000人を超える除菌成功例を4年間追跡して判明した。これだけの規模・期間の追跡調査が行われたのは初めてで、H.ピロリ菌除菌を潰瘍患者に勧める際の有力な根拠となりそうだ。研究結果は、4月26日に行われたシンポジウム3「Hp除菌療法−保険適用後の問題点」で、東京都立駒込病院内科の榊信廣氏らが報告した。

 調査対象は、H.pyloriフォーラムに参加する39大学・5総合病院で除菌治療に成功した消化性潰瘍患者約5000人。4年間追跡し、潰瘍の再発時期や再発率を調べ、再発に関与する患者背景などについても検討した。

 その結果、除菌成功後の胃潰瘍再発率は年率で2.3%、十二指腸潰瘍では1.6%と、いずれも極めて低いことが判明。一方、再発時期に関しては、「我々は除菌直後に多いのではないかと予想していたが、実際には除菌後しばらくしてから再発する例も多く、再発率は直線的に推移する」(榊氏)ことがわかった。

 また、再発は男性や喫煙者に多く、もともと胃潰瘍があった人では9割強が胃潰瘍、十二指腸潰瘍では全例が十二指腸潰瘍を再発した。再発潰瘍の6割強は、元の潰瘍と同一または近傍に生じていた。なお、対象患者の1割前後は除菌成功後も抗潰瘍薬を服用していたが、再発者の4割は抗潰瘍薬服用中の再発だった。

 今回の検討では「再発率は年々低下する」との予想は外れたわけだが、榊氏は「関係機関の協力が得られれば、10年程度は追跡調査を続け、再発率の年次推移について検討を進めたい」と話した。

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