2002.04.18

【再掲】一般病院での市中肺炎、65歳未満の肺炎および基礎疾患なし群での肺炎でガイドラインの重症度と入院期間に相関を認める

 2000年に日本呼吸器学会が発表した「成人市中肺炎ガイドライン」の検証結果が一般病院からも報告された。市立甲府病院の赤尾正樹氏らのグループは、同病院で診療した市中肺炎症例をガイドラインと照らし合わせながら検討。その結果を4月5日、日本呼吸器学会のポスターセッションで発表した。

 対象は、2000年10月から2001年の9月までに同院内科で診療した成人市中肺炎の180例(外来37例、入院143例)。ガイドラインに沿いながら、起炎菌、患者背景、重症度、入院期間、予後などについて検討した。

 患者背景次の通り。性別は男性109例、女性71例。年齢構成は、65歳未満が86例(男性47例、女性39例、入院57例)で、65歳以上が94例(男性62例、女性32例、入院86例)。

 市中肺炎の重症度は、軽症が82例、中等症50例、重症48例。このうち外来は、37例で、うちわけは軽症33例、中等症4例、重症0と軽症が多かった。一方、入院は143例で、軽症49例、中等症46例、重症48例で各レベルともほぼ同様だった。起炎菌別にみると、細菌性が69例、非定型29例、混在例9例、不明73例。

 ガイドラインとの照合では、65歳未満の肺炎および基礎疾患なし群での肺炎については、ガイドラインが示した重症度と入院期間に相関がみられた。具体的は、入院143例中、65歳未満の軽症は平均在院日数が7.9日、中等症が12.7日、重症が21.7日だった。また、入院143例中、基礎疾患なしでは、軽症の平均在院日数が8.4日、中等症11.3日、重症13.8日だった。

 一方、死亡例は12例で全員に基礎疾患があった。慢性呼吸器疾患が7例と多く、以下、糖尿病4例、慢性肝障害3例、脳血管障害2例、その他2例だった。また、死亡例にみる原因菌は、K.pneumoniaeStenotrophomonas maltophiliaが1例、K.pneumoniaeとMRSAが1例、K.pneumoniaeとMSSAが1例などと、複数菌検出した例が目立ったという。これらのことから、発表者らは「基礎疾患があり、初回の喀痰検査で黄色ブドウ球菌や肺炎桿菌を、特に複数菌検出した場合は予後不良因子と考えるべき」と結論付けた。

 ガイドラインとの関連では、重症度と入院期間に相関がみられなかったグループについて、その原因分析が待たれるところだ。

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「市中肺炎診療の実態調査」ご協力のお願い

 MedWaveは、日本呼吸器学会および日本感染症学会の開催を機に、「市中肺炎診療の実態調査」を実施しております。医療現場の第一線で活躍されている先生方に、外来で遭遇する肺炎(市中肺炎)の診療方法や考え方、抗菌薬の処方経験、市中肺炎診療に関する情報ニーズなどをお伺いし、市中肺炎診療の実態を明らかにすることを目的としております。調査結果は後日、MedWave上で紹介する予定です。ご多忙のところ恐縮ですが、何卒ご協力を賜りますようお願い申し上げます。アンケート画面は --> こちらから

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