2002.04.16

【日本臨床皮膚科医学会速報】 爪白癬の再発・再燃率、イトラコナゾールでは間歇服用、テルビナフィンでは連続服用で低下

 金丸医院(茨城県石岡市)皮膚科の飯田利博氏らは、抗真菌薬の内服で治療した爪白癬患者を約2年追跡。再燃・再発率が抗真菌薬の種類や投与方法によって異なることを見出した。爪白癬の治療によく使われる抗真菌薬2剤のうち、イトラコナゾール(商品名:イトリゾール)では間歇服用、テルビナフィン(商品名:ラミシール)では連続服用で、再燃・再発率が低かったという。飯田氏らはこの結果を、4月14日の一般演題でポスター発表した。

 対象患者は、1994年10月から1998年9月までに、日本大学附属光が丘病院または金丸病院皮膚科を受診した爪白癬患者のうち、左右いずれかの足の親指の爪に糸状菌感染が確認された人。2種類の抗真菌薬を2種類の投与方法で、重症度に応じて服用してもらった。

 爪白癬の重症度は、爪の先から根元までの長さを10分割し、混濁部位が爪の先側から数えて4〜6にまで達している場合を中等症、7〜9の場合を重症と診断。中等症では3カ月、重症では6カ月薬剤を服用してもらい、治療効果をいずれも6カ月後に評価した。その後、この時点で「著効」(混濁部位が約3分の2以上減少)と「有効」(約3分の1〜3分の2減少)の症例のみを、18〜24カ月経過観察して再発・再燃率を調べた。

 薬剤の服用方法は、連続服用群ではイトラコナゾール100mgまたはテルビナフィン125mgを1日1回食直後に連日服用。間歇服用群では、イトラコナゾール1日2回100mg(1日量200mg)またはテルビナフィン1日2回125mg(1日量250mg)を食直後に7日間服用し、その後3週間休薬して4週間を1クールとした。

 なお、「著効」と「有効」とを合わせた治療効果発現率は「両薬とも6割以上で薬剤間の優劣はない。イトラコナゾールでは間歇服用、テルビナフィンでは連続服用でやや多い傾向はあった」(飯田氏)という。

 経過観察の結果、イトラコナゾールで治療効果がみられた人(79人)では、24カ月間に19人(24%)で爪白癬が再発・再燃。しかし、再発・再燃率には薬剤の服用方法による差が大きく、中等症では3カ月連用群(18人)の29%に対して3クール間歇服用群(20人)では13%、重症でも6カ月連用群(19人)の32%に対して6クール間歇服用群(22人)では12%と、いずれも間歇服用群の方が再発・再燃率が低かった。

 一方のテルビナフィンでは、治療効果がみられた125人のうち、18カ月の経過観察期間中に21人(17%)で再発・再燃が発生。中等症の患者では、3カ月連用群(30人)で13%、3クール間歇服用群(31人)では16%と、再発・再燃率に投与方法による違いはほとんどみられなかった。しかし、重症の患者では、再発・再燃率が6カ月連用群(34人)で12%、6クール間歇服用群(30人)で27%となり、イトラコナゾールとは逆に連用群で再発・再燃率が低いとの結果になった。

 飯田氏は「今回の結果が示すのは、イトラコナゾールの間歇服用またはテルビナフィンの連続服用を、重症度に応じて3〜6カ月行えば、そこで服薬を止められるということ。その時点で爪の混濁部位が3分の1以上縮小していれば、たとえ混濁部位が残っていても、薬の“持ち越し効果”で自然に治っていく。再発・再燃は1割程度の患者にしか起こらないということだ」と強調。患者の年齢や他の服用薬、連続服薬と間歇服薬のどちらを好むかなど、様々な条件を考慮して薬剤選択を行って欲しいと話した。

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