2002.04.12

体外受精の成功判定、卵胞内のIL-6やG-CSFの濃度による推定が可能か

 体外受精の成功・不成功が、卵胞液中のインターロイキン6(IL-6)や顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)の濃度で推定できることを示唆する報告があった。金沢医科大学産科婦人科学教室の富澤英樹氏らが4月9日、日本産科婦人科学会の一般口演で発表した。卵胞内の胚の成熟と各種サイトカインの関連はこれまでに指摘されているが、それらの関係ははっきりとはわかっていない。

 今回の分析対象は、同大学病院不妊外来を1999年4月から2002年2月までに訪れ、同意が得られた19人(22周期)。

 サイトカインのうち、IL-1β、IL-6、腫瘍壊死因子α(TNF-α)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、G-CSFについて、妊娠成功群(5周期)と妊娠不成功群(17周期)で比較した。採卵時に採取した卵胞液のうち、血液が混じっていないものを3000回転で遠沈し、上澄みを摂氏マイナス80度で測定まで保存した。

 その結果、両群間に有意差があったのはIL-6とG-CSFで、IL-6は成功群が2.51pg/ml、不成功群が3.79pg/ml(p=0.015)、また、G-CSFは成功群が104.45pg/ml、不成功群が53.09pg/ml(p=0.0005)だった。他の4種のサイトカインについては優位差はみられなかった。

 感度や特異度などを検討し、IL-6の場合、2.7pg/ml(成功群の平均値に標準偏差の1.5倍を足したもの)をカットオフ値とすると、感度は80%、特異度は94%。同様に、G-CSFの場合、80.6pg/ml(不成功群の平均値に標準偏差の1.5倍を足したもの)とすると、感度は60%、特異度は100%だった。

 富澤氏は、「症例数が少ないものの、卵胞液中のIL-6低値、G-CSF高値が体外受精の成績推定に有用であると示唆された」と述べ、さらに研究を続ける意向を示した。

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