2002.04.11

【日本呼吸器学会速報】 肺Mycobacterium kansasii症では、喫煙も危険因子

 喫煙も肺Mycobacterium kansasii症の発病に関与している−−。国立療養所近畿中央病院内科の吉田亮氏らのグループは、自院での肺Mycobacterium kansasii症の症例が多いことに着目、その理由を探った研究結果を4月4日、口演で発表、喫煙も危険因子の一つである点を指摘した。
 
 発表によると、同院では過去6年間(1995年から2000年)で、肺結核を含む新規診断肺抗酸菌症は年平均390例あった。このうち、非結核性抗酸菌症は年平均97例で、肺Mycobacterium kansasii症は年平均41例だった。非結核性抗酸菌症に占める肺Mycobacterium kansasii症の割合は約42%で、全国平均に比べて明らかに高い数字だった。

 理由を探るため研究グループは、最近の45例について患者背景(年齢、性別、喫煙歴など)や臨床経過などを探った。その結果、45例中男性は38例、女性が7例で、これまでの報告に比べてやや女性が多い傾向が見られた。平均年齢は58.2±12.4歳で、最高齢85歳で最年少が23歳だった。

 喫煙歴については、女性7例は全員非喫煙者だったが、男性全員に喫煙歴があった(平均46.3±25.3pack-year)。画像所見では45例中23例が有空洞で、従来の報告に比べて空洞例が少なかった。

 臨床面での特徴は、23例で肺に基礎疾患があった点。全身性基礎疾患11例より多く、特に女性では7例中6例に肺に基礎疾患が認められた。一方、肺に基礎疾患のない22例中21例で喫煙歴があった。

 研究グループは、肺に基礎疾患のない症例のほとんどに喫煙歴があったことを重視、「喫煙も何らかの肺の機能障害を引き起こすと考えれば、肺局所に障害があることが肺Mycobacterium kansasii症を発病する必要条件と考えられる」と考察した。

 同院で肺Mycobacterium kansasii症の割合がなぜ高いのかについては今後の研究を待つことになるが、フロアからは「最近、肺Mycobacterium kansasii症が増えているという印象がある」との指摘があり、多施設での検討の必要性をうかがわせた。


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