2002.04.05

「2型糖尿病の予防は生活習慣の改善から」、ADAとNIHが共同声明

 ハイリスク者への適切な介入で、2型糖尿病の発症を予防または遅らせることができる−−。米国糖尿病協会(ADA)と米国国立衛生研究所(NIH)の関連機関、米国糖尿病・消化・腎疾患研究所(NIDDKD)はこのほど、2型糖尿病の予防に関する共同声明を発表した。DPP試験(関連トピックス参照)やフィンランド糖尿病予防研究などで、2型糖尿病の予防が可能であることが示されたことを受けたもの。声明文は、ADAの学術誌であるDiabetes Care誌4月号に掲載された。

 声明文はQ&A形式で、1.糖尿病は予防すべきか、2.どのような人がスクリーニングや介入の対象候補となるか、3.どのような方法で糖尿病を予防すべきか、4.糖尿病の予防戦略と治療戦略とはどこが違うか、5.今後どのような研究が必要か−−という五つの質問に答える形で記述されている。

 この声明では、まず第1の質問に対して、「費用効果は明らかでないものの、ハイリスク者の同定と2型糖尿病の発症予防はいずれも可能」であることが大規模試験からわかったと指摘。糖尿病の予防は試みる価値があるとした。

 次に、スクリーニング検査としては、空腹時血糖または75g経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)の2時間値を用い、空腹時高血糖(IFG)や耐糖能異常(IGT)がある人を見つけるよう推奨。こうした検査は、45歳以上の人や過体重(体脂肪指数=BMIが25以上)の人で実施を考慮すべきであり、特に45歳以上でBMIが25以上の人に対しては実施を強く推奨するとした。検査の頻度については、3年に1回が適当との見解を示した。

 糖尿病の予防方法に関しては、生活習慣の改善と化学予防の、二つの戦略が試みられていることを提示。その上で、現在までに得られているエビデンスでは、減量と身体活動性の向上という「生活習慣の改善」が第一選択だと強調した。一方、メトホルミンなどを用いる化学予防については、若年者では効果が高いとのデータはあるが、介入対象者の多くは中高年者であり、現時点では全例への実施は推奨できないとした。

 糖尿病の予防と治療とで戦略が異なるかとの質問に対しては、運動と減量を勧める点では変わらないと回答。ただし、糖尿病患者に対して行われる、足や眼の定期的な検査やヘモグロビンA1c(HbA1c)の測定、厳格な血糖管理などは、IFGやIGTの段階にある人には必要ないとした。

 最後に、今後必要な研究として、同声明では生活習慣への介入や化学予防に関する費用効果分析、臨床試験で用いられた方法よりも少ない医療資源で実施可能な介入方法の開発、身体活動性の向上や減量効果を長続きさせる介入方法の追求などを挙げている。

 この声明文のタイトルは、「The Prevention or Delay of Type 2 Diabetes」。現在、こちらで全文を閲読できる(リンク先の運営次第で変更になることがあります。ご了承下さい)。

■ 関連トピックス ■
◆ 2002.2.13 生活指導やビグアナイド系薬でハイリスク者の糖尿病発症が抑制−DPP試験より

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