2002.04.03

英国胸部学会、呼吸器疾患患者が飛行機に乗る際の管理要綱を発表

 英国胸部学会(BTS)はこのほど、呼吸器疾患がある人が飛行機で旅行する際、どのような点に留意すべきかをまとめた声明を発表した。重症の喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺結核など、航空旅行を控える、あるいは事前に医師の診察が望ましい疾患を挙げ、検査すべき項目を推奨している。声明文は、Thorax誌4月号に掲載された。

 BTSが「事前診察が望ましい」とした呼吸器疾患は、重症の喘息、重症のCOPD、線維状肺胞炎、嚢胞性線維症、神経筋疾患、脊柱後側弯症、6週間以内に急性呼吸器疾患で入院した人、過去に航空旅行中に呼吸器症状が出た人、低酸素状態で症状が悪化する恐れのある疾患(脳血管障害、冠動脈疾患、心不全など)の罹患者など。これらの患者に対しては、飛行機に乗る前に、スピロノメトリー検査や血中酸素濃度の測定を行うことを勧告した。

 また、肺結核の罹患者については、結核菌を排出している間は公共の航空機には乗るべきでないと勧告。閉塞性の睡眠時無呼吸症候群患者に関しては、飛行直前と飛行中の飲酒を避け、重症者では飛行中に眠る場合に持続陽圧呼吸器(CPAP)の装着を考慮すべきだとした。気胸の罹患歴がある人については、飛行中の再発はまれだが深刻な症状を引き起こし得るため、罹患後1年間は飛行機以外の移動手段を考慮すべきだとした。

 「エコノミークラス症候群」として注目を集めている静脈血栓症については、リスクの層別化を行い、リスクに応じた対策を取るよう推奨。軽リスク者は飲酒やカフェインの摂取を避け、飛行中は長時間眠り過ぎないよう注意するよう勧める一方、中等リスク者には飛行前のアスピリン服用、高リスク者は航空旅行を止めるか、事前に低分子量ヘパリンなどによる抗凝固療法を受けるよう推奨した。

 新生児に関しては、たとえ早産でなくても、生後1週間は飛行機に乗せないよう勧告。早産児の場合は、無呼吸を起こすリスクが高いため、出産予定日から6カ月が過ぎるまでは飛行機に乗せないよう勧めている。

 この勧告文のタイトルは、「BTS recommendations : Managing passengers with respiratory disease planning air travel」。プライマリ・ケア医向けの概要は、こちら(PDF形式)で閲読できる。

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