2002.04.02

コーヒーでは高血圧にならない、30年間の追跡研究で判明

 コーヒーを飲むと血圧は上がるが、コーヒーを毎日飲み続けても、高血圧になる確率はコーヒーを飲まない人と変わらないことがわかった。米国Johns Hopkins大学医学部の卒業生を30年以上追跡した調査で判明したもの。コーヒー好きの人には朗報と言えそうだ。調査結果は、Archives of Internal Medicine誌3月25日号に掲載された。

 コーヒーを飲み続けると、カフェインの昇圧作用によって、いずれ高血圧を発症するのではないか−−。コーヒーの愛飲者が多いアメリカでは、60年以上前からこの「コーヒー高血圧誘因説」が議論の的となっていた。

 この仮説の検証に乗り出したのが、名門医科大学の一つ、Johns Hopkins大学の卒業生たち。1948年から1964年の卒業生1017人(女性を除く)が参加して、コーヒーが高血圧を引き起こすかどうかを調べる「Johns Hopkins追跡研究」をスタートした。

 卒業生たちは、学校を卒業する際に、「1日何杯コーヒーを飲むか」「喫煙習慣はあるか」「コーヒーを飲むときにタバコは吸うか」「飲酒量はどの程度か」といった質問に回答。同時に血圧を測定した。その後、ほぼ5年おきに同様の設問への解答と血圧測定を行い、コーヒーを飲み続けることが血圧にどのような影響を与えるかを調べた。追跡期間の中央値は33年間。

 その結果、コーヒーを飲む習慣がある人では、コーヒーを全く飲まない人よりも血圧が高いことが判明。1日当たりのコーヒー消費量が1杯増えるごとに、最高血圧(収縮期血圧)は0.19mmHg、最低血圧(拡張期血圧)は0.27mmHg上昇することもわかった。

 しかし、60歳までに高血圧を発症した人の割合は、コーヒーを飲む人でも飲まない人でも2〜3割程度。高血圧発症者はコーヒー愛飲者でやや多い傾向はあったが、統計学的には差がなかった。なお、喫煙の有無やタイミング、飲酒量などは、血圧と特に関係はなかったという。

 この調査では、カフェイン抜きコーヒーだけを飲む人は「コーヒーを飲まない」とみなしている。また、大抵の米国人はコーヒーをブラックで飲むためか、ミルクや砂糖をコーヒーに入れるかどうかは調べていない。つまり、カフェイン以外のコーヒーの成分や、コーヒーと一緒に摂る糖分などに関しては検討されていないわけだ。こうした限界はあるものの、少なくともコーヒーをブラックで飲む男性では、飲み続けても高血圧になる心配はしなくてもよさそうだ。

 この論文のタイトルは、「Coffee Intake and Risk of Hypertension」。アブストラクトは、こちらまで。

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