2002.03.26

米のACSガイドラインが改訂、GP2b/3a薬に“適応制限”

 米国心臓学会(ACC)と米国心臓協会(AHA)は3月15日、両団体が共同で策定した急性冠症候群(ACS)の診療ガイドラインを改訂したと発表した。同ガイドラインは2000年9月に策定されたもので、策定後1年半での改訂は異例。全95ページのガイドラインの全文は、ACCおよびAHAのホームページで公開されており、近く概要がACCの学術誌であるJournal of the American College of Cardiology(JACC)誌と、AHAの学術誌のCirculation誌に掲載される。

 改訂版ガイドラインの基本構成は旧ガイドラインとほぼ同じ。Web版では、改訂点を対比できるよう、旧ガイドラインから削除された部分は文章に横線を引いて、追加した部分は文章に下線を引いて提示している。

 旧ガイドラインとの最大の相違点は、糖蛋白2b/3a(GP2b/3a)受容体拮抗薬のACS治療における位置付けが変わったこと。旧ガイドラインでは、「虚血状態が続く患者」や「経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を予定している患者」には全例、GP2b/3a受容体拮抗薬処方を「行うべき」(クラス1)としていた。しかし、改訂版では、クラス1の推奨は「PCIを予定している患者」のみに限定された。

 さらに、GP2b/3a受容体拮抗薬の種類によっても、推奨範囲に相違が現れた。エプチフィバチドとチロフィバンは、「虚血状態が続く患者」への投与を「行ってもよい」(クラス2a)と、旧ガイドラインのクラス1から1段階低い推奨へと変化。アブシクシマブについては、PCIを予定していない患者への投与は「行うべきではない」(クラス3)とされた。

 また、退院後の脂質管理に関しても、改訂ガイドラインでは一歩踏み込んだ介入を提示した。今改訂で新たに、高比重リポ蛋白(HDL)コレステロール値が40mg/dl未満の場合は、フィブラート系薬またはニコチン酸の投与を「行うべき」(クラス1)との推奨が追加された。低比重リポ蛋白(LDL)コレステロール値が100mg/dlを超える場合についても、今回新たに、入院24〜96時間以内にスタチン系薬の投与や食事療法の開始を「行ってもよい」(クラス2a)旨が追加された。

 長く議論が続いていたACSの治療戦略に関しても、より侵襲的な治療を推奨する側に勧告が推移した。発症早期から冠動脈造影を行い、狭窄や閉塞があればPCIや冠動脈バイパス術(CABG)を実施する「侵襲的治療」に関して、心筋傷害マーカーのトロポニンが高値の場合や心電図のST部位が新規に低下した場合、「行ってもよい」(クラス2a)から「行うべき」(クラス1)へと1段階高い推奨へと変わっている。

 このガイドラインのタイトルは、「Practice Guidelines Update: Unstable Angina and Non-ST-Segment Elevation Myocardial Infarction」。現在、全文をこちら(PDF形式)で閲覧できる(リンク先の運営次第で変更になることがあります。ご了承下さい)。

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