2002.03.18

【ACC '02速報】 無作為化試験への参加意思、女性で男性より低いことが判明

 冠動脈疾患患者を対象に行われた調査で、女性の方が男性よりも、無作為化試験への参加をためらう傾向があることがわかった。循環器分野の臨床試験では、女性や高齢者、少数派人種(マイノリティー)の組み入れ率が低いことが問題視されているが、女性の組み入れ率の低さは単純な「女性差別」の結果とは言えないようだ。調査結果は、米国Duke臨床研究所のEric D. Peterson氏らが、3月17日のポスターセッションで報告した。

 Peterson氏らは、「CASS」や「BARI」、「RITA-2」など冠動脈の血行再建術に関する臨床試験で、協力を呼びかけた患者の3人に一人が臨床試験への参加を断っていることに着目。血管造影検査を予定している冠動脈疾患患者660人に、2種類の仮想的な臨床試験について、「参加する意思があるかどうか」や「断る理由」について尋ねた。

 Peterson氏らが設定した仮想試験は、2種類の治療手段を無作為に比較するもの。対照群を薬物療法に固定し、介入群を「経皮的冠動脈インターベンション(PCI)」とした試験と、「冠動脈バイパス術(CABG)」にした試験について調査を行った。調査対象者の平均年齢は67.0歳、女性比率は34.8%、非白人比率は27.6%だった。

 その結果、PCIと薬物療法を比較する試験では全体の約4割、CABGと薬物療法の比較試験では約3割が「参加する」と回答。無作為化試験への参加意思には、年齢(70歳未満か以上か)や人種による違いはみられなかった。このことから、高齢者や非白人にみられる試験参加率の低さは、「患者に参加する意思がない」ためではないことが明らかになった。

 ところが、女性ではいずれの仮想試験でも、「参加する」と答えた人の割合が男性より有意に低いことが判明。対男性のオッズ比は、PCIの無作為化試験では0.67(95%信頼区間:0.48〜0.93)、CABGの試験では0.58(同:0.40〜0.82)となった。試験への参加を断る理由について解析したところ、PCIの試験では男女差はみられなかったが、CABGの試験では、「薬物療法の方がいい」「臨床研究には参加したくない」との回答が女性で多かった。

 この結果についてPeterson氏は、「断る理由として『無作為に振り分けられるのがいやだ』と答えた人の比率に男女差はなく、無作為化試験である点が試験参加の妨げになっているとは考えにくい」と推察。PCIやCABGはいずれも、多少なりとも侵襲的な手技であるため、女性に侵襲的な手技を望まない傾向がある可能性もあるとした。この点を検証するため、Peterson氏は「現在、両群とも薬物療法にした仮想試験への参加意思を比較する調査を進めている」と述べた。

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