2002.03.18

【ACC '02速報】 「AMISTAD 2」「COAST」など注目の試験結果が発表−−LBCT in Interventional Cardiologyより

 3月17日の「Late Breaking Clinical Trials in Interventional Cardiology」は、インターベンションに関する演題を集めたスポットライトセッション「ACCIS '02」内で開催された。冠動脈インターベンション(PCI)分野で、今年1番の注目を集めた7臨床試験を簡潔に紹介する。

◆ ISAR-STEREO-2
(second Intracoronary Stenting and Angiographic results -- Strut Thickness Effect on REstenosis Outcome)

 ステントのストラット(網状の金属片)の厚さが、ステント留置後の再狭窄率に与える影響を調べた無作為化試験。薄いストラットのステントを留置した群(309人)の方が、厚いステントを留置した群(302人)よりも有意に6カ月後の再狭窄率が低くなることが判明した。

 今回はストラット厚だけでなく形状も異なる2種類のステントを比較したが、同じ形状でストラットの厚さだけが違う2種類のステントを比較した「ISAR-STEREO-1」と同じ結果となり、ステントの形状に関わらずストラットが薄いほど再狭窄率が低くなることがわかった。

◆ AMISTAD 2
(Acute Myocardial Infarction Study of Adenosine 2)

 アデノシンの心筋保護作用を調べたプラセボ対照無作為化試験。急性心筋梗塞患者2118人を無作為に3群に分け、1.プラセボ、2.アデノシン50μg、3.アデノシン70μg(アデノシンはいずれも体重1kg当たり1分間の投与量。3時間静注)−−を投与後、再灌流療法(血栓溶解術またはPCI)を実施した。

 6カ月後の複合予後(死亡または心不全の発症)に3群で有意差はなく、梗塞サイズはアデノシン50μg投与群ではプラセボと有意差はなかったが、70μg投与群でプラセボより27%縮小し、アデノシンの前投与に心筋保護作用が期待できることが示唆された。

◆ TRENDS
(The Tetra Randomised European Direct Stenting Study)

 冠動脈にステントを留置する際、あらかじめ狭窄部をバルーンカテーテルで広げてからステントを留置する手技と、直接狭窄部にステントを留置する手技とで、安全性が変わるかどうかを調べた試験。

 30日後の主要心イベント率(MACE)は、前拡張群(499人)と直接ステント留置群(501人)とで変わらず(4.2%対3.4%)、前拡張を行わずに直接ステントを留置する手技は、前拡張を行う通常の手技と同程度の安全性で行えることが明らかになった。

◆ COAST
(Heparin-Coated Stents in Small Coronary Arteries)

 太い冠動脈で再狭窄率を下げる効果が知られている「ヘパリン塗布ステント」(商品名:heparin-coated JOSTENT Flex)が、直径2.0〜2.6mmの細冠動脈でも同様の効果を発揮するかどうかを検討。再発細冠動脈狭窄がある狭心症患者600人を無作為に、1.経皮的冠動脈形成術(PTCA)のみ、2.PTCA後通常のステントを留置、3.PTCA後ヘパリン塗布ステントを留置−−の3群に分け、予後を比較した。

 6カ月後の血管径は3群とも変わらず、心筋梗塞など心疾患の発症率にも違いはなかった。ヘパリン塗布の有無で差がないだけではなく、PTCA単独群とステント留置群との間にも差がないという、意外な結果になった。

◆ AMIGO
(Atherectomy and Multilink stenting Improves Gain and Outcomes)

 ステントの留置前に、狭窄部の組織を除去する冠動脈形成術(DCA)を実施すると、安全に冠動脈の開存率を改善できるかを調べた。

 DCA併用群(381人)とステント単独群(372人)を8カ月追跡したところ、MACEの発生率は変わらなかったものの、冠動脈の開存率にも違いは無く、総じてみるとDCAの併用が常に良い結果につながるわけではないことがわかった。

◆ PRESENT
(PREliminary Safety Evaluation of Nanoporous Tacrolimus eluting stents)
◆ EVIDENT
(Endo-Vascular Investigation Determining the Safety of a New Tacrolimus Eluting Stent Graft)

 両者とも、免疫抑制薬のタクロリムスを塗布したステントの安全性・実用可能性(フィージビリティー)を調べた試験。

 ステントの作製にはナノテクノロジーが活用されており、ステント表面の微細な穴から薬剤が徐放される仕組み。いずれも小規模ながら、30日後のMACE発生率は0%で、実用に足る安全性があることが確かめられた。ただし、60日前後で2例に標的病変への再インターベンション(TLR)が必要になっており、タクロリムスの塗布量を増やした試験を進める一方、長期的な安全性をみる動物実験も続ける。

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