2002.03.03

高血圧の生涯罹患率は90%、Framingham研究で判明

 Framingham研究の参加者を対象とした解析で、55歳または65歳時に血圧が正常だった人でも、10人に9人までが生存中に高血圧を発症し得ることがわかった。20年前の同様の調査と比べ、男性で高血圧の罹患率が上昇していることも判明したという。解析結果は、Journal of American Medical Association(JAMA)誌2月27日号に掲載された。

 今回行われた解析の目的は、血圧が正常な中高年者を約20年追跡した場合、どの程度の人が高血圧(血圧が140/90mmHg以上)を発症するかを調べること。研究グループは、米国の代表的な地域コホート研究であるFramingham研究の参加者から、1976〜1980年の時点で55歳または65歳の人を抽出。うち血圧が正常だった1298人を1998年まで追跡し、高血圧の生涯罹患率を算出した。

 その結果、当初の年齢や性別を問わず、高血圧の生涯罹患率は90%と推測されることが判明。この生涯罹患率は、女性では20年前の同様の調査(1952〜1975年調査)と同じだったが、男性では1.6倍になっていた。

 一方、中等症の高血圧(160/100mmHg以上、米国合同委員会(JNC)ガイドラインのステージ2に相当)を発症する生涯リスクは35〜44%となり、前回調査時の35〜57%より低下していることも明らかになった。

 研究グループは、今回得られた結果は「公衆衛生という見地から大問題」だと指摘。高血圧の発症は生活習慣の改善で予防できるため、今後は1次予防により力を注ぐべきと提言している。

 ただし、高齢者高血圧の病態は若年者とは異なる面も多く、若年者と同じ予防策が有効かどうかや、降圧治療が生命予後をどの程度改善するかなど、解明しなければならない課題も多い。今回の解析結果が、高齢者高血圧の病態解明を進める大きな契機となることを期待したい。

 この論文のタイトルは、「Residual Lifetime Risk for Developing Hypertension in Middle-aged Women and Men」。アブストラクトは、こちらまで。

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