2002.02.20

再掲 【日本総合診療医学会速報】 高齢者の血圧は気温が低いほど上がる、健康な高齢者の毎日測定データから

 健康な高齢者の血圧は気温と強く逆相関する−−。これは、香川医科大学総合診療部の木村敏章氏らが、香川県東部に住む15人の高齢者を対象に、3年間にわたって家庭内で測定した血圧データを分析した結果による。2月16日に日本総合診療医学会で発表した。血圧と気温に関する過去の研究は、測定場所が外来、もしくは測定期間が2カ月間、測定回数が年2回といったもので、同氏らのように長期間にわたって毎日測定したデータに基づくものは珍しい。

 分析に用いたのは、起床時に測定した1998年1月から2000年12月までのデータ。対象者は、在宅健康管理システムを利用している高齢者のうち、高血圧症との診断やその治療を受けていない15人(男性7人、女性8人、平均年齢80歳)。同システムはケーブルテレビ網を利用したシステムで、香川県東部で導入されており、家庭に設置された端末を使ってデータを収集できる。

 15人の全データの平均値を月ごとに求め、気温との関係を調べたところ、強い相関関係があった。気温を摂氏x(度)、収縮期血圧y1(mmHg)と拡張期血圧y2(mmHg)とすると、気温と血圧の回帰式はy1=−0.48x+130.3、y2=−0.29x+80.8だった。相関係数rはそれぞれ0.972、0.984と高かった。また、月ごとの収縮期血圧のばらつき(標準偏差)をみると、夏よりも冬の方がやや大きかったという。

 木村氏はこの結果を基に、「高齢者の血圧は気温の影響を大きく受けている」と語った。「起床時の血圧は変動が大きいのではないか」との会場参加者からの指摘に対しては、「毎日同じ条件で測定しているので、そうしたばらつきはほとんどなくなっているのではないか」と答えた。

 なお、この発表は、若手研究者による二つの優秀な研究発表に対して贈呈される「日野原賞」を受賞した。

■訂正■
目次の「高齢者の血圧は気温が低いほど下がる」は、「高齢者の血圧は気温が低いほど上がる」の間違いでした。訂正致します。

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. まずLAMAから?それともLABAから? プライマリケア医のための喘息・COPD入門 FBシェア数:129
  2. なぜ、われわれは手洗いをしないのか?(その2) 忽那賢志の「感染症相談室」 FBシェア数:57
  3. NCDで変わり始めた外科手術 リポート◎登録開始から5年、800万を超える外科症例データが集積 FBシェア数:35
  4. 抗体を持つ研修医が発症した「修飾麻疹」とは? パンデミックに挑む:トピックス FBシェア数:282
  5. 81歳男性。側腹部の膨隆 日経メディクイズ●救急
  6. 地域枠義務放棄の医師採用は研修補助金を減額 臨床研修病院はマッチング時に「地域枠医師」かどうかの確認を FBシェア数:221
  7. 63歳女性。手指と足首の痛みを伴う皮疹 日経メディクイズ●皮膚
  8. 国主導の『抗微生物薬適正使用の手引き』公表へ 厚生科学審議会感染症部会で了承 FBシェア数:87
  9. 13歳女児。繰り返す嘔吐 日経メディクイズ●小児
  10. 今年の大学医学部入試の問題から(その1) 松原好之の「子どもを医学部に入れよう!」 FBシェア数:1