2002.02.11

【日本胃癌学会速報】 胃癌治療のCP、患者の不安を解消し満足度も向上

 内科・外科を問わず、様々な急性期医療にクリニカルパス(標準治療過程、CP)を導入する動きが急だが、2月9日に行われたワークショップ1「胃癌とクリニカルパス」では、胃癌治療の、主に術後管理に焦点を当てた種々のCPが紹介。ともすれば同一医療機関内での治療の標準化や、入院期間の短縮による医療費の削減効果にのみ焦点が当てられがちなCPに、患者の不安を解消して満足度を向上する効果もあることが指摘された。

 千葉大学先端応用外科の圷尚武氏らは、医師、看護婦に栄養士と薬剤師が加わった「胃癌CPグループ」で、早期胃癌の幽門側胃切除に対する12日間のCPを作成。上記の手術を受ける際、CPを適用した患者9人に対し、アンケートを行って満足度を調べた。

 その結果、アンケート対象者数は少ないものの、CPによって治療日程が決まっていることや、入院期間が短縮されることに関して、多くの患者側が好意的に受け止めていることが判明。大半の患者が、自分の病気や病状をよく理解でき、CPを受けたことに満足していることがわかった。

 また、同グループのCPは術後7日目に服薬指導と栄養指導を盛り込んでいる点が特徴の一つだが、これらの患者指導についても「内容がよくわかり、役立つ」との評価が大半。特に服薬指導については、次回の入院でも9人中8人が「受けたい」と答えたという。

 一方、東京都立駒込病院外科の岩崎善毅氏らは、CP導入の前後に、患者の術前不安に対するアンケートを実施。CPを作成して患者に治療の流れを説明することで、手術に対して抱く多くの不安を解消できることを示した。

 同病院外科では3種類の胃切除術と腹腔鏡手術2種、化学療法2種の計7種類の胃癌治療CPを導入している。アンケートでは、CP導入前の患者110人の約4分の1に手術時の痛み、半数以上に術後の痛みに対する不安があったのに対し、CP導入後の患者119人では手術時の痛みに関する不安は全くなく、術後の痛みに不安を抱く人も1割未満だった。同様に、「いつ退院できるか」「術後の安静期間は」といった不安も、CPの導入でほとんど解消されていた。

 しかし、疾患に対する一般的な不安や、退院後の食事や生活に対する不安については、CP導入前と導入後でほとんど差がないことも判明。料理の選び方や食事の進め方、分食などに関して特に不安が強かったことから、「アンケート結果を生かし、栄養指導を取り入れるなどの方法で、今後もCPを改良していきたい」と岩崎氏は述べた。

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