2002.01.25

【日本疫学会速報】 1年以内に死亡の透析患者、透析中の血圧低下が大きい

 透析中の血圧低下は、透析患者の1年生存に対する危険因子かもしれない。大阪府立病院腎臓内科の勝二達也氏が、約1000人の患者データを前向きに検討した結果で、1月24日の日本疫学会学術集会のポスターセッションで発表した。透析前後の座位の血圧だけでなく、透析中の血圧や起立時の血圧についても調べた研究は珍しいという。

 調査対象の患者は、1999年末時点で大阪府内28施設において維持透析を行っていた1381人(平均年齢59.6歳)のうち、1年後の予後が確認できた1078人。そのうち、1年後に死亡していたのは57人で、主な死因は心筋梗塞(13人)、感染(10人)、悪性腫瘍(7人)、脳出血・脳梗塞(6人)、肺水腫(5人)など。

 血圧変化と生命予後の相関について、ロジスティック回帰分析を行ったところ、1年生存に透析中の収縮期血圧の低下が関連していることがわかった。性、年齢、原疾患、透析後体重、昇圧剤の服用で補正したところ、生存に対する透析中の収縮期血圧低下のオッズ比は0.97(95%信頼区間:0.96〜0.99)と、値は小さいが有意に低かった(p<0.001)。

 勝二氏は、「死亡した患者は身体状況が既に悪く、透析そのものが負担になり血圧が下がった可能性もあるが、より大きな血圧変動が身体に負担をかけていた可能性もある」と述べた。2年後の予後データを現在解析中とのことで、その結果などを踏まえて、透析中の血圧への介入も今後検討する意向だ。

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