2001.10.30

【日本高血圧学会速報】 家庭血圧・脈拍の高値、脳心血管疾患の死亡リスクが相加的に上昇

 家庭収縮期血圧と家庭脈拍数のどちらかが高い値を示せば、脳心血管疾患の死亡リスクは高まるようだ。東北大学公衆衛生学の寳澤篤氏らが10月26日、一般演題「疫学」で発表したもの。家庭血圧値や家庭脈拍数は白衣効果の影響がなく、再現性に優れているだけに、より精度の高いリスク評価の実現につながる可能性がある。

 寳澤篤氏らは、東北地方のある町に住む40歳以上の心房細動の既往がない住民を対象にした観察研究を実施。血圧値と脈拍数を朝と夜の1日2回、家庭で3日間以上にわたり自己測定した1791人(男女比は6対4、平均年齢60.6歳)のデータを分析した。朝の測定は、起床後30分以内、排尿後、食事前で、夜は就寝前。降圧薬内服者は服用前に、いずれも2分間の座位安静の後に、1回だけ市販の家庭血圧計で測ってもらった。

 平均9.7年間追跡したところ、その間の脳心血管死亡は91人だった。性や年齢、降圧薬の服用歴、脳心血管疾患や糖尿病の既往などの因子で補正し、コックス比例ハザードモデルで死亡リスクを評価した。同氏らの以前の研究を基に、収縮期血圧は137mmHg以上を高血圧群と、脈拍数は1分間当たり70回以上を高脈拍群とした。なお、平均測定回数は朝が22.9回、夜が23.5回だった。

 朝の結果をみると、正常血圧・正常脈拍数群を1とすると、高血圧・正常脈拍群は2.33、正常血圧・高脈拍群は2.71、高血圧・高脈拍群は3.96だった。一方、夜については、高血圧・正常脈拍群は2.21、正常血圧・高脈拍群は2.62、高血圧・高脈拍群は4.81で、時間帯によらず、家庭血圧、家庭脈拍のどちらかが高値であれば相対危険度は高まっていた。

 このように、正常血圧でも高脈拍数だと脳心血管のリスクは高くなるとの結果を踏まえて寳澤氏は、「次は、リスク軽減のために、どこまでに脈拍数を下げればいいのかを検討すべきだろう。そのためには、介入研究の実施が必要となる」と述べた。


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