2001.10.27

【日本高血圧学会速報】 家庭血圧に基づく無作為介入試験「HOSP study」、Ca拮抗薬とA2受容体拮抗薬を比較

 朝の家庭収縮期血圧に基づいた無作為介入試験である「HOSP study」(Hypertension Control Based On Home Systolic Pressure study)は、国立循環器病センターや国立病院など8施設で実施している厚生労働省委託のパイロット研究。主任研究者を務める国立循環器病センターの河野雄平氏は10月26日、一般演題「高血圧臨床試験」で研究の概要と6カ月までの中間結果を発表した。HOSP studyは、高血圧患者を対象に2種類の降圧目標値を設定した上で、カルシウム(Ca)拮抗薬もしくはアンジオテンシン2(A2)受容体拮抗薬を投与し、臓器障害や心血管事故、目標血圧値の達成度などについて評価する。登録期間は2000年5月から2001年12月までで、目標登録数は300例。観察期間は5年間の予定。

 同研究の特徴としては、降圧目標に家庭血圧値を採用している点が挙げられる。目標は、朝の家庭収縮期血圧が130mmHg以上140mmHg未満の群と、130mmHg未満の群の2グループを設定。治療には、Ca拮抗薬のアムロジピン(商品名:ノルバスク、アムロジン)もしくはA2受容体拮抗薬のロサルタン(商品名:ニューロタン)を初期選択薬を用いる。降圧目標と初期選択薬については、患者を無作為に割り付けるが、薬剤投与はオープン(非盲検)で行う。

 介入方法は、まず4週間の無投薬期間を経て、当初の3カ月間はCa拮抗薬かA2受容体拮抗薬のいずれかのみを投与するというもの。アムロジピンが5mg(最初は2.5mg)の朝1回投与、ロサルタンが50mg(最初は25mg)の朝1回投与と定められている。3カ月目以降は、降圧が不十分な場合、アムロジピン群はA2受容体拮抗薬とアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬以外の降圧薬を、ロサルタン群はCa拮抗薬以外の降圧薬をおのおの追加。それでも目標を達成できない場合は、初期選択薬であるアムロジピンとロサルタンをそれぞれ10mg、100mgに増量する。

 対象は40歳から79歳までの未治療もしくは休薬可能な高血圧患者で、無投薬時の外来血圧および朝の家庭収縮期血圧が140mmHg以上200mmHg未満の患者。なお、脳卒中や心筋梗塞の既往、重篤な合併症を持つケースは除いている。

朝の家庭血圧への効果はアムロジピン優勢? 中間結果が示唆
 登録患者数は2001年9月現在で145人(男性69人、女性76人)で、平均年齢63歳。降圧目標の達成率は3カ月後において、目標血圧が130mmHg未満の患者だと平均3割と低かった(対象は106人)。各グループの目標達成率をみると、130mmHg以上140mmHg未満だとアムロジピン群が72.0%、ロサルタン群が53.8%、130mmHg未満の場合はそれぞれ38.5%、22.2%。降圧目標によらず、アムロジピンの方が目標達成率は高かった。

 4カ月目からは降圧薬の併用が可能となるため、6カ月後の目標達成率は、130mmHg未満の群でも平均5割を超えた(対象は88人)。ここのデータをみると、130mmHg以上140mmHg未満だとアムロジピン群が73.7%、ロサルタン群が55.0%。一方、130mmHg未満の場合はそれぞれ52.2%、58.3%で、ロサルタン群がアムロジピン群をやや上回る結果となった。

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