2001.10.26

【日本高血圧学会速報】 大豆蛋白質とイソフラボンの積極的摂取、血圧やコレステロールへの改善効果がRCTで示される

 通常食に加えて、1日につき大豆蛋白質25gとイソフラボン50mgをさらに摂取すると、血圧値や血清コレステロール値が有意に改善される−−。京都大学人間・環境学研究科の神田知氏らは、このような結論を日本人の女性高齢者を対象とした無作為化二重盲験試験をもとに明らかにした。10月25日の日本高血圧学会総会の一般演題「ライフスタイル」にて発表した。心臓疾患のリスクを軽減するといわれ、大豆に微量に含まれている成分であるイソフラボンだが、もともと大豆蛋白質を積極的に摂っているとされる日本人の女性高齢者で同様の効果が示されたので、今後、様々な疾患予防の点で関心を集めそうだ。

 対象はあるシルバーカレッジに在籍している60歳から70歳までの日本人女性で、循環器疾患の危険因子を持つと考えられる67人。ここで「危険因子を持つ」とは、収縮期血圧130mmHg以上、総コレステロール値220mg/dl以上の条件を一つ以上満たすこと。介入群は、1日当たり25gの大豆蛋白質と同50mgのイソフラボンを、4週間にわたって通常の食事に加えて毎日摂取してもらった。

 具体的には、大豆蛋白質やイソフラボンを強化した、クラッカー、リンゴジュースやオレンジジュース、食パン、ロールパン、おかゆ、カレーを、必要摂取量を満たすように自由に組み合わせて食べてもらう形を採用した。一方、プラセボ群は、色、におい、カロリーにほとんど差がないプラセボ食を、介入群と同じ形式で食べる方法とした。

 その結果、収縮期血圧については、介入群は132.4mmHgから122.7mmHgに有意に低下した(p<0.05)。一方、プラセボ群は低下する傾向はみられたものの、有意ではなかった。拡張期血圧については、ともに低下していたが有意差はなかった。

 また、コレステロールに関しては、介入群は総コレステロール値が245.5mg/dlから228.1mg/dlに、低比重リポ蛋白(LDL)コレステロール値が157.3mg/dlから144.5mg/dlに、両方とも有意に低下していた(p<0.05)。これに対して、プラセボ群はともに下がっていたものの有意差はみられなかった。

 このように、血圧値やコレステロール値に対する効果が得られたため、神田氏は、「食生活の改善が脳卒中や血管性痴呆症、寝たきりなどの予防に貢献できるのではないか」との期待感を示した。今後の研究課題としては、血圧やコレステロールの低下の度合いと、大豆蛋白質やイソフラボンの摂取量との関係を明らかにすることを挙げた。


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◆「高血圧治療に関する調査」ご協力のお願い

 MedWaveは日本高血圧学会の開催を機に、「高血圧治療に関する調査」を実施します。医療現場の第一線で活躍されている先生方に、高血圧治療の方法や考え方、降圧薬の処方経験、高血圧治療に関する情報ニーズなどをお伺いし、高血圧治療の実態を明らかにすることを目的としております。調査結果は後日、MedWave上で紹介する予定です。
 ご多忙のところ恐縮ですが、何卒ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

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