2001.09.25

【日本心臓病学会速報】 AMI患者のPTCA入院費のばらつき、病院が一番の決定因子

 急性心筋梗塞患者の場合、経皮経管冠動脈形成術(PTCA)の入院費は合併症の有無や使用したステントの数などよりも、どこの病院でPTCAを受けたかにより大きく左右されるとの分析結果が示された。国立病院東京医療センター循環器科の茅野眞男氏らが9月24日、日本心臓病学会学術集会の一般演題(口演)で発表した。PTCAの入院費は患者ごとに大きく異なることが指摘されてきたが、その要因はあまり明確に示されてはいなかった。

 全国38病院のデータが登録されている、全国心血管インターベンション学会によるPTCA全国コストデータベースを用いて多変量解析した。急性心筋梗塞群(AMI群)675例と非急性心筋梗塞群(nAMI群)1239例に分けて、それぞれ多変量解析を行い、因子の単独の決定係数partial R-squareを求めた。

 AMI群においては、「病院番号(病院ごとに割り振られた番号のこと)」(R-squareが0.20)が最大の決定因子で、「合併症がある(重い)と高い」(同0.07)、「使用したバルーン本数が多いと高い」(同0.07)、「使用したステント数が多いと高い」(同0.06)、「年間PTCAが150件以下だと高い」(同0.06)といった因子を大きく上回った。

 解析に用いた因子の中に、病床規模、病院の経営主体、PTCAの年間施行数、年間AMI患者数などは含まれているが、それでも病院間のばらつきが最も大きかった。こうした結果を踏まえて病院間の相違が大きいことについて、茅野氏は、「実施した検査の回数、術者の相違などが影響しているのではないか」と予想している。

 一方、nAMI群においては、「使用したバルーン本数が多いと高い」(同0.19)、「使用したステント数が多いと高い」(同0.19)、「合併症がある(重い)と高い」(同0.13)の順に高く、「病院番号」(同0.04)は低かった。

 また、茅野氏は、「登録している医療機関は年間施行数が多い施設に偏っているため、入院費の格差はもっと広がるかもしれない」とも語った。

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. 医学書を安く買う方法・高く売る方法 Dr.Kの「医師のためのバリュー投資戦術」 FBシェア数:24
  2. 78歳女性。主訴:激しい胸痛 総合内科BASICドリル FBシェア数:173
  3. 医療者の「献身的な労働」に甘えていませんか? 裴 英洙の「今のままでいいんですか?」 FBシェア数:146
  4. ケアマネがショックを受けた医師からの一言 医師が知らない介護の話 FBシェア数:399
  5. ガイドラインではエコー、現場では… 画像診断大国の若手医師へ FBシェア数:160
  6. 終末期にどこまで抗菌薬を使用すべきか シリーズ◎在宅医療における感染対策(4) FBシェア数:606
  7. 「これ以上は無益」と言えない気持ちも伝えよう 国立病院機構東京医療センター倫理サポートチームの尾藤誠司氏に聞く FBシェア数:285
  8. いまの医師の好みはベンツよりハイブリッド車 医師1000人に聞きました FBシェア数:207
  9. 認知症700万人時代、数少ない収入アップの道 日経ヘルスケアon the web FBシェア数:23
  10. 医師達はいかにして検察を騙してきたか 池田正行の「氾濫する思考停止のワナ」 FBシェア数:1