2001.09.18

【日本骨粗鬆症学会速報】 甲状腺腫瘍などへのTSH抑制療法、ビス製剤の併用で骨量が増加

 甲状腺刺激ホルモン(TSH)抑制療法を行う際に、ビスフォスフォネート製剤(ビス製剤)を併用すると、甲状腺ホルモン剤による骨量の減少を抑制できるようだ。京都甲状腺研究会による研究結果が、9月15日の一般口演で報告された。

 TSHは、甲状腺腫瘍などを増大する作用がある。そのため、甲状腺ホルモン剤を投与してTSHを抑制する「TSH抑制療法」は、甲状腺腫瘍治療の第一選択として行われてきた。しかし、バセドウ氏病などで血中の甲状腺ホルモンが過剰になると、骨量が減少することが判明。TSH抑制療法では、甲状腺ホルモンをやや過剰に投与するため、骨への悪影響を危惧して近年は同療法を手控える風潮があった。

 これに対し、同研究会では、骨吸収を抑制する作用を持つビス製剤のエチドロネートを甲状腺抑制療法に併用。TSH抑制療法の対象患者9人について、腰椎、大腿骨頚部と橈骨の骨量を併用前後に測定したところ、腰椎と大腿骨頚部では骨量の有意な増加が確認できたという。

 結果を発表した甲子園大学の田中清氏は、「最近はTSH抑制療法をためらう動きもあるが、TSH抑制療法が必要な患者には、エチドロネートを併用すれば骨への悪影響を回避できる可能性がある」と強調。また、甲状腺外来の受診者には中高年女性が多く、40歳代でも3割、60歳代では9割に骨粗鬆症または骨量低下がみられたとのデータも提示し、「甲状腺外来には骨粗鬆症好発者が集まると考えられるので、骨量測定を積極的に行うよう、甲状腺学会など関連学会にも呼びかけていきたい」と結んだ。


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