2001.09.16

【日本骨粗鬆症学会速報】 拒食症女児の骨密度、回復には体重増加より月経の再来が重要に

 神経性食欲不振症(いわゆる拒食症)では、発症の低年齢化が問題となっているが、月経が来る前に拒食症を起こした女児では、一般の子供よりも骨密度が低いことがわかった。また、拒食症が治って体重が増え始めても、月経が止まった状態では、骨密度はなかなか回復しないことも明らかになった。順天堂大学小児科の西澤恭子氏らが、9月14日の一般口演で発表したもの。

 西澤氏らは、同院に入院した拒食症女児のうち、初回の入院時に骨密度を測定した24人を追跡。11〜15歳の健常女子167人から得たデータを対照として、入院時の骨密度や、拒食症が治る課程での骨密度の変化を調べた。対象とした女児の平均年齢は13.5歳(11〜16歳)、平均身長は150.8cm、平均体重は29.0kg。24人中9人は初経前で、残りも無月経状態だった。

 その結果、入院時の腰椎骨密度は、初経を迎えていた15人では比較的保たれていたが、大腿骨頚部の骨密度はやや低い傾向があった。一方、月経がまだ始まっていなかった9人では、腰椎、大腿骨頚部のいずれも、骨密度が同じ年齢の女児の平均値よりもかなり低いケースが多かった。

 次に西澤氏らは、経過を2年以上追跡できた8人で、骨密度の変化を標準偏差(SD)で評価した。すると、体脂肪指数(BMI)が18以上に回復していた4人では骨密度が0.16SD回復していたのに対し、BMIが18未満だった4人では1.2SD減少しており、体重の増加が骨密度回復に影響する傾向がみられたが、有意な差ではなかった(p=0.3)。一方、月経の再来でみると、月経が開始した4人の骨密度は0.22SDの減少、月経が止まったままの4人では2.2SDの減少であり、月経の再来が骨密度の回復に影響することがわかった(p=0.02)。

 女性の骨の発達は18歳でピークを迎えるとされ、骨密度の増加には十分な栄養と同時に、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌も欠かせない。西澤氏は、小児期に拒食症になった子供について、「骨粗鬆症の予備軍として長期的な経過観察が必要」と指摘。拒食症が骨の成長に与える影響を把握し、患者本人にも骨の健康の大切さを認識してもらうことが、拒食症の治療を進める上で有用と強調した。

-->整形外科スペシャルへ
-->プロフェッショナル・プログラムのトップページへ

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. これだけは知っておきたい「改正道路交通法」 プライマリケア医のための認知症診療講座 FBシェア数:244
  2. 「死にそうな時は何にもしなくていい」と言われてた… 患者と医師の認識ギャップ考 FBシェア数:482
  3. 50歳女性。左下腿に生じた皮膚潰瘍 日経メディクイズ●皮膚 FBシェア数:0
  4. 国際医療福祉大学医学部の志願者倍率は27.7倍 昨年開学した東北医科薬科大学を大幅に上回る人気 FBシェア数:422
  5. 「ネットは仕事に悪影響」と電カル未導入の病院 日経ヘルスケアon the web FBシェア数:68
  6. 安易な食物除去はNG、湿疹の管理も忘れずに インタビュー◎「食物アレルギー診療ガイドライン」改訂のポイント FBシェア数:558
  7. 超高層老人ホーム、救命はどうなる? 薬師寺泰匡の「だから救急はおもしろいんよ」 FBシェア数:311
  8. 意外と知らない看取りの手順 平方眞の「看取りの技術」 FBシェア数:67
  9. 往診に行ったら仏壇をチェック!? Dr.西&Dr.宮森の「高齢者診療はエビデンスだけじゃいかんのです」 FBシェア数:152
  10. 1日で299人、悪夢のような銃創ラッシュ 国境なき医師団が見た世界の医療現場 FBシェア数:114